11月15日に法住寺で身代不動尊大祭があり、鬼も登場して採燈大護摩供が行われました。
三十三間堂の東にある法住寺は四季の行事が充実をしているお寺のひとつです。寺は平安時代中期に藤原為光によって創建され、平安時代末期には後白河上皇の御所である法住寺殿が築かれて栄えました。すぐわきには後白河天皇陵もあり、陵を守る寺として受け継がれています。陵内の法華堂内に安置されている後白河上皇の像を忠実に写した像も法住寺には祀られており、行事で公開されることもあります。
毎年11月15日には、法住寺合戦の折に後白河法皇の身代わりとなったという不動尊の祭礼、身代不動尊大祭があり、後白河天皇陵への参拝などの儀式が行われます。赤、青、黒の鬼も登場して一緒に参列しているのが印象的でした。一行が境内に戻ると14時頃から採燈大護摩供が始まります。先んじて境内では護摩木の受付も行われており、3本奉納するとおうどんとお善哉の接待がありました。ただ、無くなり次第終了で、私が奉納した時にはおうどんのみとなっていました。
護摩供養は、本尊の身代わり不動尊に家内安全、無病息災・諸願円満を祈願するものです。まず山伏問答が行われます。これは結界の中にいる山伏の元へ、外から別の山伏がやってくるという設定の問答で、修験道について尋ねられた外の山伏が丁寧に回答をしてその素養を認められ、決壊の中へと入って行きました。
続いて鬼法楽が行われます。天狗を先導に赤・青・黒の3匹の鬼が拍子を合わせて、松明・剣・まさかり・槌を振るって踊り歩きます。鬼法楽と言えば、節分の廬山寺が有名ですが、法住寺の鬼たちも同様の動きを見せてくれます。ただ、境内は人でいっぱいで鬼が回るのは一周だけですので、写真を撮るのは難しいでしょう。なお、法住寺では節分でも同じように鬼が登場して鬼法楽と護摩供養が行われています。
ご住職により祭文が読み上げられるなど儀式に続いて護摩壇に点火され、もうもうと煙が出て、護摩木が投げ入れられて行きました。風向きによっては煙が多く流れますが、多くの方が様子を見守りました。やはり護摩供養は何度見ても迫力を感じます。また、境内では天狗により笹酒が授与されました。こちらも節分と同様です。法住寺の身代不動尊大祭、機会がありましたら訪れてみて下さい。
「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ
・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
ご迷惑をおかけいたします。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。