14日は山沿いで雪が積もりました。山科の諸羽神社も雪化粧となりました。こちらは毎年立体的な干支の絵馬が登場します。
諸羽神社(もろはじんじゃ)は、山科の三条通(旧東海道)の北にある神社で、天孫降臨(てんそんこうりん)の神話の中で、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の左右に従った天児屋根命(あめのこやねのみこと)と天太玉命(あめのふとだまのみこと)を当初の御祭神としています。平安時代の貞観4(862)年に、清和天皇の勅により社殿が造営され、この二柱を祀ったため「両羽大明神」と称せられたそう。やがて他にも四柱が加わったため「諸羽」神社と改称され、応仁の乱や大火で社殿が焼失するたびに再建をされて現在に至っています。
諸羽神社は、山科にある十八の郷の中で第四番目に当たるとされ、古くは「四ノ宮」と呼ばれて、この付近の産土神(うぶすなのかみ)として人々に崇敬されました。周辺には地名で四ノ宮の名が残されています。また、四ノ宮の名は仁明天皇の第四皇子である人康親王(さねやすしんのう)が目を悪くして出家・隠棲した地から来ているともされます。人康親王は琵琶の名手と伝わり、盲目の琵琶法師の祖ともされる人物です。諸羽神社の境内にある琵琶石は、人康親王が座して琵琶を奏でた石とも伝わります。
新春の境内で目を引くのは立体的な干支の絵馬。京都新聞の記事によると、近くで飲食店を営む男性が神社の保存会の依頼を受けて毎年作っているもので、今回で8作目と恒例となっていて地元の方にも親しまれています。犬の絵馬も大変よくできていて、子犬を連れた親子四匹の姿となっています。竹と犬を組み合わせると「笑」の字に似ることから、子犬に竹籠をくわえさせているのがポイントで、「笑いの多い1年になるように」と願いが込められているそうです。親犬の足元をよく見るとパンダのシャンシャンもいました。もともとはなかったようですが、加えられたようです。毘沙門堂など、お近くに行かれる際には、諸羽神社に立ち寄っていただくのもおすすめです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。