京都のソメイヨシノも開花まで数日となってきましたが、気象庁より全国的に「異常天候早期警戒情報」が出されました。27日頃より4月頭にかけて、平年と比べて気温が「かなり高い」状態が続きそうで、今年は開花後の満開、さらに桜吹雪までのサイクルが早まる公算が大きくなっています。
今日(24日)、二条城にある京都のソメイヨシノの開花宣言の基準となる標本木を見に行ってきました。つぼみの様子を見ると、25日も気温が低いため開花宣言は難しいかもしれません。26日は気温が平年並みに戻り、27日からは一気に気温が上がってきます。恐らく26日か27日に開花宣言が出るのではないでしょうか。なお、昨日のブログにも書いたように、ソメイヨシノでも市内の早い木では咲き始めているものが出てきています。
問題は開花後の気温です。気象庁より全国的に「異常天候早期警戒情報」が出され、27日頃より4月頭にかけて平年と比べて気温が「かなり高い」状態が続きそうです。気温が高ければ桜のサイクルも早くなるので、苦しい展開となってきました。通常、京都では開花から満開までの間は「8日」ですが、1981年以降での開花から満開の間の最短は、1994年の「3日」です。
桜の開花や満開を知るのに相関が高い「平均気温」を見ると、3日で満開となった1994年の開花日からの推移(カッコ内は最高気温)は、以下の通りです。開花日:12.3℃(17.5℃)、翌日:13.7℃(23.0℃)、翌々日:17.8℃(25.4℃)、3日後:19.0℃(26.8℃)、計62.8℃。そして、2015年の平均気温予想(24日現在、平均気温は最高気温と最低気温の中間)は、以下の通り。26日:8.5℃(15℃)、27日:13℃(22℃)、28日:16℃(24℃)、29日:16.5℃(22℃)、30日:17℃(23℃)。26日~30日計:71℃、27日~30日計:62.5℃。
ごちゃごちゃと数字を並べましたが、まとめると開花日からの平均気温の合計は、3日後に満開となった1994年で「62.8℃」ですが、今年は27日開花だと3日で満開になった1994年と同じペースの「62.5℃」の予想。26日開花でも4日後の30日には「71℃」に達するため、今の気温予想が現実になると、京都のソメイヨシノは「30日には満開」になる公算が高いと思われます。さらに31日以降も気温は平年より大幅に高い状態が続く見込みで、満開後、散ってしまうのも早くなる可能性があります。ソメイヨシノが散れば遅咲き桜の名所(私の資料で開花ランク4、ランク5)の場所へと足を延ばせばよいのですが、行く場所を決めている方は、今後の経過に十分にご注意ください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。