2月3日に、綾部市の阿須々岐(あすすき)神社で行われた茗荷祭をご紹介します。
阿須々岐(あすすき)神社は、阿須々伎神社、阿須須岐神社とも表記されますが、場所は綾部市金河内町東谷で、かつては志賀郷と称された地域にある神社です。この志賀の地域には「七不思議」が伝わり、それぞれ植物にまつわる伝承となっています。現在は失われたものが多い中で、阿須々岐神社の茗荷祭と、篠田神社の筍祭は今に伝わる七不思議とされています。今回は念願叶っていずれも見に行くことができました。
阿須々岐神社の、阿須々岐は、志賀の元の地名の吾雀(あすすぎ)郷に由来するようです。阿須々岐神社の茗荷祭は、毎年2月3日に行われる行事で、今から1400年程前に、金丸親王(麻呂子親王)の子孫・金里宰相が、金宮大明神(現在の阿須々岐神社)に茗荷を植えて国家の安泰と子孫の繁栄を祈願したことに始まると言います。境内の「お宝田」と呼ばれる水辺に出る茗荷の出来具合で、その年の早稲・中稲・晩稲の出来栄えや、風雨日照りの様子を占います。また、2月4日には篠田神社で筍の生え具合で同じく稲の実りを占う神事があります(そちらも後日紹介します)。
時間は10時半から。地元の方が集まっておられ、綾部市長も来られていました。お祓いの後、神職さんたちが「お宝田」へと向かい、早稲・中稲・晩稲の区画に高下駄を履いて入り、鎌で茗荷を刈り取ります。地元の方もその様子を見守りました。そして社殿に戻って、祝詞の奏上などが神事が行われたのち、神職さんや氏子総代の挨拶へと続きます。
阿須々岐神社では、占い結果の報告があります。今年は早稲の茗荷が大きくまっすぐ育っていたことから、豊作が期待できそうとのこと。この判断は、それぞれの農家の主観にもよるようです。占いの対象はあくまで稲で、作物全般ではないとのお話も聞きました。たいへんユニークな行事ですので、例年報道の取材も入っておられます。今年も無事に行事が行われました。風水害がなく稲の実りがもたらされてほしいと思います。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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