「秋は夕暮れ」というように、日没の時刻が早くなって夕暮れ時に遭遇しやすくなる時期です。夕焼けは一般的には西の空を赤く染めるものと思われていますが、実はかなり奥深いものがあり、例えば東の空にも夕焼けが出たり、地球の影がせりあがって来たりと、刻々と変化する空が様々な表情を見せる時間帯です。東の空の夕焼けと地球の影については、以前ブログで詳しくご紹介しました。
今回ご紹介する「紫光(しこう)」も、一般的にはなじみの薄い現象でしょう。それが証拠にネットで調べてもほとんど出てきません。紫光は、日没後の西の空に現れる半円状の「薄明弧」の上方を紫に染める現象です。薄明弧は、日没点を中心に広がっており、一般の夕焼けの部分がこれに当たります。
日没後の空はゆっくりと変化していきますが、私の手元の文献では、紫光は日没後15分~20分が美しいと書かれています。ちょうど写真を撮ったのはそのころでした。まさに紫に染まる不思議な色合いの空を、しばし足を止めて空を眺めていました。青でも赤でも白でもない紫色の空。よく晴れた日に、夕焼けの上を眺めてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。