散策で、亀岡祭の宵宮をご案内させて頂きました。雨の中、ご参加いただきましてありがとうございました。亀岡祭は亀岡で行われている秋祭りで「口丹波の祇園祭」とも呼ばれるように、京都の祇園祭さながらに11基の山鉾が出て駒形提灯が灯り、祇園囃子が響くお祭りです。山鉾が出るようになったのは江戸時代のことで、京都の祇園祭の影響を多分に受けて来たため共通する部分が多くあります。明確に違うのは、祭りの時期が亀岡祭の場合は10月下旬と寒い時期に行われるということ。特に23日の宵々山や24日の宵宮へは、暖かい服装でお出かけください。
亀岡祭は鍬山神社の祭礼で、亀岡盆地を鍬で切り開いたという鍬山大明神=大己貴命(オオナムチノミコト)をモチーフにした鍬山、同じく鍬山神社に祀られる八幡神をモチーフにした八幡山など、11基の山鉾が亀岡の城下町に並びます。大己貴(オオナムチ)は、因幡の白ウサギ伝説もあって神の遣いはウサギとされ、一方の八幡神の神の遣いは鳩とされているため、亀岡祭の提灯や神輿などにはウサギと鳩の図柄が描かれています。形原神社に安置されているお神輿にも、それぞれの図柄が描かれているのがユニークです。
古い街並みが残る亀岡の城下町の風情の中に山鉾の駒形提灯が灯る様子はたいへん美しいものがあり、京都の祇園祭とは一味違った魅力にあふれています。懸想品も立派なものが数多くありますが、一見舶来品のようでも実は日本製というものもあり、西陣織の綴れ織りも目を引きます。地元の方のおもてなしも温かく、何度でも訪れたくなるお祭りです。鍬山付近で展示されていた手作り甲冑も大変見事。紙で作られているとは思えない出来栄えです。23日は雨の影響で懸想品が見られない場所もあり、人出もかなり少なかったですが、天気が回復する24日は多くの方で賑わうでしょう。25日には山鉾巡行も行われます。よければ足を延ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。