5日朝の京都の雪景色。鷹峯にある源光庵の窓の奥にも、見事な光景が広がりました。
前回は、京都御所の雪化粧をご紹介しましたが、その後、北野天満宮を経て鷹峯の源光庵へと向かいました。北野天満宮は思っていたほど雪が無く、ほころび始めた梅の花にも雪は残っていませんでした。京都の雪はなかなか難しいですね。鷹峯の源光庵は、京都らしい「丸窓」で知られるお寺で、秋の紅葉の時期をはじめ、窓の奥に覗く四季の風景が人々の心を引き付けます。
源光庵は山沿いですので雪が残りやすいものの、窓の奥は日当たりが良いため雪が融けやすいことが特徴で、今回のように雪の量が少ない場合は、できるだけ早く訪れる必要があります。拝観開始は9時からですが、この日は15分程早めに到着しました。雪があるかを心配していましたが、なんとかまだ残っていました。諦めずに足を延ばしてよかったと一安心。
お寺はまだ準備中ではあったものの、優しいお心遣いでいつもより早めに中に入れて頂くことができました。実は既に先客がおられたのですが、ほどなく次の場所へと行かれ、しばらく私だけの「貸切」となりました。丸窓の奥には見事な雪景色。丸窓は「悟りの窓」と呼ばれており、隣の四角い「迷いの窓」との対比が禅寺らしいところでしょう。円は大宇宙を表し、四角は人間の生涯を象徴して生老病死の苦しみを表すというものですが、先入観を持たずに各々の感性で感じるのが素直でよいのではと個人的には思います。
紅葉シーズンは窓の周りは多くの人で賑わいます。ただ、さすがに真冬の朝一番はとても静かで、写真も思う通りに撮ることができました。窓の奥にどのような風景を切り取るかは、個々のセンスですので毎回悩むところです(笑)この日は、見ている間にも外が曇って雪が舞ったり、日差しが出たりと明暗が変わり、そして雪は見ている間にも融けて行きました。まさに、早く訪れたからこそ眺めることができた光景です。
冬の冷たい空気の中で見つめる源光庵の雪化粧の窓は、他の時期では味わえない美しさがあります。こうした空気感は写真や動画ではお伝えすることが難しいのですが、とても贅沢で時の流れを忘れてしまうほどです。2月ともなって来ると日差しは明るく、室内の光景には暖かみすら感じられ、丸い窓と四角い窓、そして部屋の他の窓からの風景も合わせて、京都にいられてよかったと感じる空間でした。
今回は写真に加えて、動画も撮影して来ました。手ぶれはあるのですが、ほんの少しでも京都の儚い雪景色の美しさ、源光庵の空間の素晴らしさをお伝えできれば幸いです。こういう日があるからこそ、冬の京都の雪は子どもの頃のように楽しみな気持ちで迎えられますね。最新の予報では、14日朝も先日に続いて南部でも積雪の可能性があります。また、雪景色をお届けできるでしょう。交通機関の乱れも予想されますので、情報にはご注意ください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。