大河内山荘 月香亭からの月 


13日夜も嵐山花灯路へと行ってきました。狙っていたのは大河内山荘内の月香亭(げっかてい)からの月を入れた眺めです。

前日はあいにく訪れた時間帯だけ東の空には雲が広がり、見ることができませんでした。その代わりに乗った屋形船のレポートは以前のブログをご覧ください。今の時期、月が昇る時間は日々1時間ほど遅くなっていきます。13日の京都の月の出は19時19分。嵐山花灯路の夜間拝観の受付は20時までのため、14日では月の出が20時をまわってしまうため、この日がラストチャンス。結果は、ご覧の通り見事な月を眺めることができました。

大河内山荘は、戦前・戦後期に活躍した映画俳優・大河内傳次郎(伝次郎・でんじろう)が、1931年から30年の歳月をかけてこつこつと築いた別荘です。その回遊式の庭園は楓や桜などの美しい木々、手入れされた苔、趣のある建物群、飛び石や迷路のような植え込み、各方向への抜群の眺望などなど、四季折々にいつ訪れても「素晴らしい」の一言。小倉山の起伏を利用しているため、初めての時にはまだ続くのかと思わせるほど底が見えず、かなりの広さを感じるお庭でしょう。昼間は拝観料が1000円で、一般的には「高い」というイメージが先行してしまいがちですが、お菓子とお抹茶付ですのでべらぼうに高いわけではありません。是非一度は訪れて頂きたいお庭です。

月香亭は、その庭園の頂上付近にあり、昼間の眺望も大変素晴らしい場所です。そして、嵐山花灯路の時期は京都の夜景が楽しめます。法輪寺の展望台から眺めるような、空にさえぎる物の無い夜景も美しいですが、月香亭のように風景を切り取る夜景も趣があります。そこに月が昇る場面はきっと絶景に違いない、と思っていましたが、ようやくチャンスをつかむことが出来ました。嬉しい限りです。

傳次郎は、映画出演料の大半を注ぎ込んでこのお庭を造りました。当時は長期保存が難しかったフィルムのように、消えてしまうものではなく、いつまでも残る美を追究するという思いがあったそうです。彼がつくり上げた見事な「美」は、時を経た今も私たちを感動させてくれます。18日までの嵐山花灯路の期間中の夜間拝観は、拝観料500円。お手軽にお庭を楽しめる分、お抹茶はありませんのでご了承ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

より大きな地図で 大河内山荘庭園 を表示

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