藤森祭と伏見稲荷

藤森祭
5月5日に藤森神社の藤森祭があり、神輿が氏子地域を巡行しました。

藤森祭藤森神社の神輿は道中で、別の神社である伏見稲荷大社の中へと入っていきます。赤い鳥居を藤森神社の神輿がくぐるというのはなかなか見もの。もともと藤森神社は伏見稲荷ができるよりも古い由緒を持つ古社とされ、かつては藤森地域一帯に点在して社を構えていたといわれます。現在の伏見稲荷大社のふもとの境内地も、かつては藤森神社の境内地でした。やがて稲荷山の山上にあった稲荷社をふもとに遷す際に、藤森社の境内地をかりたということです。そのため、もともとの境内地がある伏見稲荷の中に藤森神社の神輿が入り、藤森の神(舎人親王)を祀る藤尾社の前に三基の神輿が鎮座をして神事が行われます。

藤森祭昭和初期までは藤森祭で騎馬の上から「土地返しや」と稲荷側に声をかけると「今お留守」と返すやりとりがあったそう。居留守を使うというのは面白いですね。こうした経緯もあってか、伏見稲荷大社の門前の家々も藤森神社の氏子圏となっています。さて、まずは露払いで滝尾神社の剣鉾が音を鳴らしながら進んできます。剣鉾は粟田神社があまりにも有名ですが、京都各地の祭事で見ることができます。

藤森祭藤森神社の神輿には女神輿もあって、続いて鳥居をくぐってきました。女神輿は神事には参加しませんが、輿丁(よちょう:担ぎ手)は扇を手に持って、後からやってくる男神輿を迎えます。藤森神社は平安京以前の歴史を持つ京都有数の古社で、地元とのつながりが深い神社です。この先も、長く長く伝統を伝えていってほしいと思います。

藤森祭
藤森祭
藤森祭 滝尾神社の剣鉾

「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ

・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。

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