京都の初詣 2013年 その1


新年も、早速初詣へと行って来ました。1月1日未明の各地の様子です。

今年の年明けは、西陣にある妙顕寺の除夜の鐘とともに迎えました。除夜の鐘は日付が変わってから撞き始めるところも多く、妙顕寺では年明けとともに最初の鐘が撞かれました。大晦日から年明けにかけての除夜の鐘の様子は、また近日中にご紹介予定です。さて、除夜の鐘を聞きながら、今年もやはり北野天満宮へとやってきました。個人的には、この5年で3回も日付が変わってすぐに参拝に訪れています。北野天満宮に祀られている菅原道真は学問の神ということで、受験生の若者が多いのが特徴です。本殿前は三光門からの一方通行で、三光門前で入場規制も行われます。

本殿前は鈴の綱は外されていますので、どこから参拝してもOK。本殿前から出ると、金属製のおみくじの筒がたくさん並べられていて、多くの若者が勢いよくガラガラと振る様子が印象的です。新年の北野天満宮では、鐘の音の替わりにおみくじの音が境内に響き渡るのです。

また、北野天満宮では、境内の火之御子社(ひのみこしゃ)に由来する火縄の授与が行われ、西陣の「をけら詣り」と呼ばれています。八坂神社さながらに、本殿前の篝火から火を付けて、火縄をくるくると回しながら持ち帰るのが、地元の方の恒例行事となっています。

一条通にある、大将軍八神社は、方除けの神として信仰されています。北野天満宮からの流れで若者の参拝が意外と多いのが特徴で、境内では大判焼のような「大やき」が売られ、よい香りが漂っていました。大将軍は3年ごとに居る方角が変わりますが、2013年はまさに変化のタイミング。大将軍は今年から3年間、東の方角をつかさどります。大将軍の方角は万事に凶とされ恐れられていましたが、四季の土用の期間はその方角を離れるとされており(遊行日)、いちおう救いはありました。方角が制限された時代は、さぞ大変だったことでしょう。

新年早々、二条城近くの御金神社にも参拝しました。神社名は「みかね神社」で「おかね神社」ではありませんのでご注意くださいませ。金ピカ鳥居が目を引く神社は、やはり金運アップの御利益で、特に近年は信仰を集めています。祀られている神様は、金山毘古命(かなやまびこのみこと)で、本来は金属・鉱山の神様です。ただ、通貨も金属からできており、そこから金運アップへと繋がっていきました(お金を生み出す機会などの金属機器も守るとされる)。近年は、株や証券などの資産運用関連や、宝くじが当たるようにといったものまで、金運・財産形成に関わる広い信仰を集めるようになりました。

そして未明に、毎年恒例の高松神明神社へと参拝しました。神社の方から甘酒と、新年恒例の神明長寿箸を授かり、さらに今年は可愛らしい干支の置物まで頂きました。ありがとうございます。高松神明神社は、もとは源高明の邸宅・高松殿に祀られていた社で、現在も平安時代から変わらぬ場所にあります。後白河天皇はこの高松殿で即位し、保元の乱では天皇方の拠点となり、平治の乱で焼失しました。神社の方にお話を伺ったところ、昨年の大河ドラマ・平清盛の影響で、参拝者は増えたとのことでした。現在、数年先に源高明を合祀する予定だそうで、境内整備のための寄付を募られています。私も少しお賽銭で協力できればと思います。京都は千年の都。街中の何気ない社寺にも深い歴史が隠れているのが、すごいところですね。さて次回は、1日日中の松尾大社や嵐山の様子をご紹介します。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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