北野天満宮 地主神社に散る銀杏


北野天満宮の地主(じぬし)神社のにある銀杏(イチョウ)が散り始めました。地主神社の屋根に積もる光景は、とても美しいですよ。

今年は暖かい日が続き、銀杏の落葉もなかなか進みません。銀杏も散る時期が年によって安定していませんので、北野天満宮の美しい光景も今年はまだかまだかと待っていましたが、ようやく進みだしたようです。銀杏や楓は「自分の意思で葉を落とす」と聞いたことがあります。つい先日まで全く散らなかったのに、急にハラハラと散っていく様子はまさに意思があるようですね。ここ数日で黄金色の落ち葉がさらに積もっていくでしょう。

さて、この地主神社。今でこそ小さな付属の社のようですが、実は天満宮が創始される100年も前からこの地に鎮座している、由緒正しき神社。遣唐使の無事を願うため、国内全ての神(天神地祇)を祀ったのが始まりとされています。現在の社殿も、約400年前に道真公を祀る本殿と同じく、豊臣秀頼の命(現実的にはその母の淀)により、片桐且元を奉行として再建されました。擬宝珠(ぎぼし)を見ると、秀頼や且元の名がちゃんと刻まれています(ただし、この擬宝珠は多宝塔のものを転用したもの)。

また、北野天満宮の参道は、本殿に向かってではなく、この地主神社へ向かって真っすぐ続いています。つまり元は地主神社へと続く参道だったのですね。これは「筋違いの本殿」として北野天満宮の七不思議の一つにも数えられています。

そんな神社の脇に立つのが立派な銀杏。本殿の後ろにもあたり、少し離れた場所から本殿と一緒に写真に収めるのも人気でしょう。さて、いよいよ市街地でも秋が深まってきました。北野天満宮の秋の名物「お土居の紅葉」は、「見ごろ」の表示に変わりました。公開は11日まで、3日・4日はライトアップも行われます。

今週は天気予報の精度が悪い状況が続いていて、気象台の予報も不安定となっています(私の予報コメントも気象台を元にしていますので当たっていない時があります)。明日まではその傾向を引きずりそうですが、週末の雨の後、4日から6日は晴れの予報。晩秋は気温が本格的に下がってきますので、暖かめの服装でお出かけ下さい。特に夜間拝観は、皆さん予想外に寒いと言われることも多いです。風邪をひかれないよう十分にご注意ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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