知恩院近くの得浄明院では、早咲きのアヤメであるイチハツ(一初)の花が綺麗に咲いています。また、真っ暗闇の中を歩く「戒壇めぐり」も行える場所です。
得浄明院は、明治27(1894)年に信州善光寺の京都別院として建立されたお寺で、建物は大小の差こそあれ同じ造りをしています。交通網がまだ発達していなかった当時、信州までお参りするのは大変であろうとしてこの地に創建されました。本堂下には善光寺と同じ戒壇めぐりがあり、暗闇を歩く中でご本尊の阿弥陀様と繋がっているという「鍵」に触ると結縁ができ、ご利益が得られ罪がはらわれると言われています。
本場の善光寺では、暗闇の中でもたくさんの人がいて前の人にぶつかることもあるほどでそれほど怖くないのですが、ここは割と人が少ないので、距離は短いながらも恐ろしく感じるかもしれません。今は感染対策で、ビニールの手袋を付けて壁の手を頼りに進む方式となっています。落ち着いて前に進んでいってください。
お堂の周囲に咲く一初(いちはつ)はアヤメの中でも最も早く咲く品種です。火災や台風などから家を守る厄除けの花として、昔はかやぶき屋根の頂上部分に植えられていました。堂内の三公像は、三体の塑像の中央が本田善光(ほんだ よしみつ)公で、阿弥陀像を大阪から長野へお連れし、善光寺を創建した人物。両脇の像は奥さんと息子の像です。よしみつ(善光)から、善光寺の名が取られています。今年の公開は緊急事態宣言による変更がなければ5月5日まで行われています。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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