吉田神社の火炉祭 2020年

吉田神社 火炉祭
2月3日の深夜に、吉田神社火炉祭(かろさい)が行われました。

吉田神社 火炉祭吉田神社の火炉祭(かろさい)は、京都の節分を代表する行事として知られ、直径も高さも5mといわれるほどの巨大な火床に古い縁起物やお札(ふだ)を納め、火を付けて燃やすことで、古札に宿る神々にお帰りいただくという行事。室町時代から続く神事だといいます。節分の深夜23時から行われ、その炎が春を呼び、参拝者には無病息災をもたらして新春の幸運を授けるといわれています。京都の各地でお火焚き祭や古札燃納は行われますが、吉田神社の火炉祭はその中でも最大といえるものです。

吉田神社 火炉祭しかし2015年・2016年は、大きな火床に点火されることはありませんでした。理由は、行政との間で灰の処理に関する問題が生じたため。焼却灰は4トントラック2台分、約7トンもの量になっていたそうですが、行政が求める環境への配慮には人手や費用も必要とあって、過去2年間は火床に点火はされていませんでした。その2年間は、神事としての根幹を守るために、古札に宿る神を火炉の前に立てた御幣(ごへい)に移し、その御幣を燃やすという形で行われました。約1分程で燃えていた炎は小さくなり、儀式は終了となってしまうため、あまりにあっけない終了に驚きの声も上がるほどでした。2015年にはその様子をブログに書いています。やはり大きな炎が灯ってこその火炉祭ということで、復活を望む声は大きく、2017年からは灰の処理のための費用をなんとか工面され、復活することになりました。

吉田神社 火炉祭今年は新型コロナウイルスの影響で、人出は少なくなっている印象で、最前列で目にすることができました。23時前からの神事の後、四方から点火されると、火は瞬く間に夜空を焦がし、参拝者の冷えた体も温めてくれます。今年は風の弱い夜でしたので、火の粉は真上を目指して昇って行きました。火床を囲っているのは竹で、燃え広がるとパチパチと音を立て、自然に崩れて行きます。

吉田神社 火炉祭火炉祭の見どころの一つは消防士の活躍です。やはりこれだけ大きな炎となると、火床が崩れたり火の勢いが強くなりすぎる恐れがあるため、適宜水をまいて熱や火の勢いをコントロールしていきます。風の強い年は気を遣うことでしょう。今年も大きな炎が燃え上がり、京都に春の訪れを告げてくれました。火炉祭の様子は動画もありますのでご覧ください。

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ガイドのご紹介

吉村 晋弥(よしむら しんや)

京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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