京都府綾部市のあやべグンゼスクエアには綾部バラ園があり、バラが咲く光景を自由に見させていただけます。
綾部といえばグンゼと大本(おおもと)でしょう。肌着で知られるグンゼは、現在は大阪に本社がありますが、その発祥は綾部で、波多野鶴吉によって明治29年に創業されました。周辺の何鹿郡(いかるがぐん)は蚕糸業が盛んな地域ではありましたが、当時その品質は低く、問題もありました。波多野鶴吉その立て直しとして最新技術を導入した精良優美な生糸を作ることで、郡全体が是となるようにとの思いを込めてグンゼ(郡是)と名付けたといいます。あやべグンゼスクエア内にある、グンゼ創業館ではグンゼの歴史や現状について学ぶことができますので、ぜひ訪れてみてください(10時~16時、無料、火曜休)。
そしてあやべグンゼスクエアには「綾部バラ園」もあります。ホームページを参考にすると、2010年10月に開園し、造成から苗の植栽まで多数のボランティアスタッフが協力した市民手づくりのバラ園で、現在も綾部市内を中心に、福知山、舞鶴などからのボランティアの力により維持管理が行われています。園内には、120種類1200本のバラが植栽され、美しい花々を自由に目にすることができます。維持管理費の募金箱はありますので、よかったら入れていただくとよいでしょう。バラは6月と10月ごろに見ごろを迎え、先日(10月10日)も綺麗な花を咲かせていました。19日からは「秋のバラまつり」も行われます。秋のバラは香りが豊かで色鮮やかなのが特徴なのだそう。
円形に植えられたバラ園の中央には、シンボルである「アンネのバラ」が植わっています。綾部出身で「聖イエス会」や嵯峨野教会を創立した大槻武二氏の合唱団が海外演奏を行った際、『アンネの日記』の作者、アンネ・フランクの父オットー氏との縁が生まれ、やがて大槻道子氏のもとに贈られてきた苗木は、1973年に日本で初めて嵯峨野教会で咲いたそう。大槻道子氏は1975年に再度渡欧してオットー氏と再会し、その記念に改めて贈られた10本の苗木を、綾部在住の山室親子が根付かせ、株を増やしたのだそう。増やした株は、日本中に配られていきました。また、2000年に綾部市とエルサレム市が友好都市になったのを記念して、綾部駅前にはアンネの像も立っています。
アンネの平和への願いを伝えるため、「アンネのバラ」は園内中央の世界連邦のマークを囲むように植栽されています。綾部市は世界連邦都市宣言の第1号の市でもあり、綾部は世界平和を祈る街として、随所に平和への思いを垣間見ることができます。秋の見ごろの時期に足を延ばしていただくのもおすすめです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。