亀岡の宮川神社 | 京都旅屋

先日、亀岡市にある宮川神社を訪れました。葵祭とも関連する神社です。

亀岡市宮前町宮川神尾山にある宮川神社は、知る人ぞ知るお社です。ご祭神は伊賀古夜姫命（いがこやひめのみこと）で、この神様は京都の下鴨神社にお祀りされている賀茂建角身命（かもたけつぬみのみこと）のお妃で、同じく下鴨神社にお祀りされる玉依姫命（たまよりひめのみこと）の母神とされる「伊可古夜日売命（いかこやひめのみこと）」と同じ神様です。

一説には、大和（奈良）の葛城から移住してきた賀茂族と、亀岡盆地に勢力を広げた出雲族との婚姻を通じた融和を表すともみられ、現在でも葵祭に宮川神社の氏子23名が参列する習わしとなっています。京都新聞の記事によると、今年は22歳の方も参加されたのだそうです。

境内は金輪寺のある神尾山のふもとで、木々に覆われた厳かな雰囲気のある神社です。注目は社殿のすぐ後ろに大きな磐座（いわくら）があること。創建時は現在地ではなく、神尾山の山頂に近い場所にあり、延喜式内社の神野（かむの）神社に比定されますが、明智光秀の兵火を経て、現在地には江戸時代の正保4（1647）年に参詣の便も考えて移されたそうです。

境内の奥には玉依姫命を祀る小社もあり、賀茂社とのつながりを感じることができました。神社の脇には清流が流れ、大変美しい場所。賀茂の神のルーツともいえる神社ンのひとつです。

ガイドのご紹介　吉村晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格（第14回合格率2.2％）、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都（BS11）「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。