見納めの御室桜と「泣き桜」

仁和寺 4月19日
仁和寺の御室桜は19日の段階で落花さかんとなり、京都の桜も八重桜を除くと終盤に入っています。

仁和寺 4月19日京都の桜は、ソメイヨシノはほとんど散り果て、現在は八重桜が見ごろとなってきています。八重桜も各地に植えられており、意外な場所で花を咲かせている桜に出会えることでしょう。「京都の桜の最後」といえば、真っ先に仁和寺が思い浮かぶ方もおられるかもしれません。今年は例年より遅れて見頃となりましたが、19日の段階では「落花さかん」となっています。

仁和寺 4月19日御室桜は、仁和寺境内にある桜の総称で、特定の種類ではありませんが、境内の中門を入って左側に広がる桜苑は「御室有明」という特殊な種類で埋まり、この桜が一般的には御室桜と呼ばれています。この御室有明は、背が高くならないのが特徴。桜の下に粘土質の土壌があり土中に酸素や栄養分が少なく、桜が根をのばせない要因の一つにはなっているそうです。

仁和寺 4月19日仁和寺の桜は、江戸時代から吉野の桜に優るとも劣らないと人気を博し「わたしゃお多福 御室の桜 はなが低くても 人が好く」と歌われました。「はな(花・鼻)」が掛け言葉になっています。満開の桜は、まさに桜の雲海と呼ぶにふさわしく、その雲の中を泳ぐように散策し、ひょっこりと顔を出す五重塔を探すのが楽しみのひとつ。ただし、満開の期間は例年3日程度しかなく、見ごろに当たるのが難しい桜でもあります。今年は15日~17日の3日間が満開の期間でした。散る際も2-3日で散ってしまうので、とにかく急いで見に行く必要があるのです。

仁和寺 4月19日御室桜は散り際も美しく、まるで雪が積もったかのように地面が白く覆われる光景はたいへん見事。満開時よりも好みという方もおられるほどですので、あえて訪れてみるのもよいでしょう。ただ、今週末の土日までは持たない可能性が高く、桜が終了すると桜苑への立ち入りは来年まで出来なくなります。

仁和寺 泣き桜 4月19日御室桜の散るころにだけ見られるのが通称「泣き桜」。御室桜の中でも特に開花が遅い一本で、清楚な花を咲かせる美しい桜。光に輝く純白の花は格別です。仁和寺では公式に(ようどうざくら)と命名されています。名前の由来は諸説ありますが、江戸時代には桜の開花中にしか公開されていなかったため、この最後の桜が散る様子を泣いて惜しんだことから「泣き桜」と呼ばれたともいいます。ということで、咲いている場面を見られるのはあとわずか。20日に行かれる方は、是非愛でてあげてください。

 

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。

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