特別公開の木島桜谷旧邸・櫻谷文庫

木島桜谷旧邸
先日、特別公開中の木島桜谷(このしま おうこく)旧邸を訪れました。

木島桜谷木島桜谷は、明治から昭和にかけて活躍をした画家です。16歳で今尾景年に弟子入りして絵を学び、若いころより評価を得て竹内栖鳳と並ぶ人気を得ました。しかし代表作である「寒月」が夏目漱石から酷評されるなど、画風には当時から賛否がありました。多忙に絵を描き続けるかたわら、大正の初めに当時まだ長閑な風景が残っていた衣笠村に移り住み、画業に専念することになりました。衣笠は桜谷の転居後、土田麦僊、山口華陽、堂本印象など、様々な画家が移住するようになり「衣笠絵描き村」とも呼ばれるようになります。ただ、桜谷は晩年に精神を病み、最期は京阪電車に轢かれて亡くなりました。昭和13年のことでした。

木島桜谷旧邸 夢二人形現在、衣笠に残された木島桜谷の旧邸や遺作・収蔵品は「櫻谷文庫」として保存され、普段は非公開ですが数年前から特別公開される機会があります。この春は4月3日までの金土日(10時~16時、600円)が公開日となっていて、伊藤若冲や与謝蕪村の絵も公開されています。建物は和館と洋館があり、それぞれ桜谷のこだわりが随所にみられる造りとなっています。

木島桜谷旧邸和館の方には、ひな人形や竹久夢二の人物画を人形にした「夢二人形」が展示されており、近づいてじっくり見ることもできます。また、桜谷が生前に孫のために残した自ら下絵を描いた婚礼衣装も展示されています。この婚礼衣装は、孫がまだ10代の頃に用意されたもので、桜谷が亡くなってから9年後に実際に使われました。

木島桜谷旧邸 伊藤若冲の絵さらに近年、桜谷の孫の孫(玄孫)にあたる女性が、この婚礼衣装を身に着けて結婚式を挙げられました。時を超えて2度も婚礼に用いられた衣装。桜谷の残した思いが受け継がれているお話に感動します。さて、洋館の方は2階に伊藤若冲と与謝蕪村の絵が展示されています。隣りの部屋には桜谷が描いた「わらび」の絵もありますので、お見逃しなく。桜谷についても学べ、人となりも偲べる特別公開。館内の写真撮影もOKです。4月1日~3日までに、機会がありましたらご覧になってみてください。

木島桜谷旧邸
木島桜谷旧邸
木島桜谷旧邸
木島桜谷旧邸
木島桜谷旧邸
木島桜谷旧邸
木島桜谷旧邸 与謝蕪村の絵
木島桜谷旧邸 桜谷の絵
木島桜谷旧邸 桜谷の絵
木島桜谷旧邸 桜谷の絵

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。

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