松尾大社の神苑

松尾大社の神苑
先日、松尾大社の神苑を訪れました。

松尾大社 秋の山吹京都有数の古社として篤い信仰を集める松尾大社(まつのおたいしゃ)。4月中旬~下旬には山吹が美しいことでも知られますが、今の時期もわずかですが花が咲いていました。先日は観月会の様子をお伝えしましたが、別の日に神苑を訪れました。神苑の松風苑は、造園家・重森三玲の最後の作品として知られ、神像館とあわせて500円で見学することができます。平安時代風の「曲水の庭」、上古(古代)風の「磐座(いわくら)の庭」、参道の北側に鎌倉時代風の「蓬莱の庭」の3つがあり、それぞれ異なった趣を楽しめます。

松尾大社の神苑特に磐座の庭が有名で、松尾山中に鎮座する古代の磐座にちなんで造られ、そそり立つ2つの巨石が松尾大社の男女二神を表し、これを囲む巨石は随従する諸神を表します。また、一面に植えられた都笹で高山の趣を表現しています。曲水の庭は、平安貴族が慣れ親しんだ曲がりくねった遣水を現代風に表現し、どの方向からも鑑賞できる庭園となっています。

松尾大社の神苑最後の蓬莱の庭は楼門の外にあります。この庭は、不老不死の仙界へとあこがれる蓬莱思想が盛んになった鎌倉時代の回遊式庭園を取り入れたもので、池は全体が羽を広げた鶴の形をし、奥には龍門瀑があります。重森三玲は、1974年の年末に上古の庭と曲水の庭の作庭を完了した後に入院したため、長男の重森完途が急遽代役として東京から呼ばれ、三玲の設計を基に1975年に蓬莱の庭を完成させ、その直後に三玲は息を引き取ったそうです。まさに最後の作品となった松尾大社の神苑。機会があればご覧になってみてください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。

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