嵯峨祭の剣鉾と神輿渡御 2015年

嵯峨祭 2015年
5月24日に嵯峨祭の還幸祭が行われました。

嵯峨祭 2015年愛宕神社と野宮神社の神輿が巡行する大きなお祭りが嵯峨祭です。室町時代末期(戦国時代)の公家の日記にも見物の記録が残り、鎌倉時代にはあったとされていますが、由来については不明な点も多く、近年では平安時代に起源を持つとする説も出されています。また、江戸時代に描かれた見事な「嵯峨祭絵巻」の複製は清凉寺で展示されています(本物はアイルランドのチェスター・ビーティー図書館に所蔵されています)。

嵯峨祭 2015年見どころの一つは澄んだ音を響かせる剣鉾。剣鉾はその鐘の音や、輝き尖った剣先で災厄をもたらす疫神(えきじん)を集め、神輿が巡行する道々を清めて行くものです。京都の東山などの剣鉾では、前に歩く動作で上下に振りながら鳴らして行きますが、嵯峨祭の剣鉾は左右のひねりによって、鐘をグルグルと巻きつけるように回して音を響かせるのが特徴です。上を一切見ないところも東の差し方との大きな違いです。鉾自体は数十キロの重さがあり、持つだけでも大変なもの。差すには熟練の技を要します。見事な足腰の筋肉をした男性たちが音を響かせて歩いて行く様子は、感動すら覚えるほどです。

嵯峨祭 2015年嵯峨祭に登場する二つの神社のお神輿は2010年に解体修理をされて、美しく輝いています。還幸祭の一週間前の神幸祭で清凉寺前にある御旅所に祀られていましたが、この日は大覚寺から嵯峨野一帯を巡行していきます。お昼前には大覚寺に到着して神仏が入り混じった儀式を行い、その後は嵯峨嵐山駅を経て嵐山方面へと進みます。

嵯峨祭 2015年神輿の経路は昨年からの護岸工事の影響もあって中の島からの出発となっています。ということで、渡月橋を神輿が渡っていく場面が見られました。遠くには愛宕山も見え、愛宕神社のおみこしを愛宕山を背景に眺めるという嬉しい場面もありました。勇壮な神輿振りと剣鉾の妙技を見ることができた嵯峨祭。今年はご案内もさせていただきました。ご参加ありがとうございました。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。

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