冬至の22日に衣笠の不思議不動院でかぼちゃ供養が行われました。
不思議不動院は、金閣寺の裏側の住宅街の山際にある寺院で、原谷へと抜ける道からもほど近い場所にあります。普段は訪れることは少ない場所かと思いますが、春の桜はなかなか綺麗で、不思議不動院という個性的な名前は一度聞いたら記憶に残る場所ではないでしょうか。私も学生時代に足を延ばした場所でした。
寺の創建は新しく、昭和20年頃と聞きます。正式には真言宗の「大北山大宝寺不思議不動院」といい、初代貫主の酒井圓心師が不動明王の夢を見て「難渋苦労している人々を救うように」とのお告げを得て、私財をもって開いたとのこと。金閣寺の西一帯から原谷、蓮華谷へと続く広大なお狐山の山域一帯を霊地とし、境内には本堂を中心に、かぼちゃ大師堂、お狐大明神、子授け地蔵など多くの祠堂が建ち、“不思議之谷の不思議さん”と呼ばれ親しまれています。
名前の由来は、こちらの不動明王に祈願をした多くの参拝者の願いが成就していき「不思議なことを起こす不動尊」という評判が広がって行ったからだそう。かぼちゃ供養の時も多くの参拝者が訪れていて、信仰の篤さを感じます。さて、かぼちゃ供養は毎年冬至の日に行われています。大師堂には「かぼちゃ大師」と呼ばれる弘法大師像が安置され、かつて初代住職は、迷い苦しむ人びとをこの像が救ってくださるようにと、不眠、断食、滝に打たれるなどの修行をして祈願し、その満願のお礼にかぼちゃを供えたそうです。こうした由緒と冬至にかぼちゃを食べると無病息災で過ごせるという風習が合わさって、かぼちゃ供養とかぼちゃの接待が行われています。
この日も、ホクホクのかぼちゃを頂き、大師堂の中では護摩供養とご祈祷もしていただきました。不思議と願いをかなえてくださるというお不動様や弘法大師像がある不思議不動院。機会がありましたら、足を延ばしてみてください。冬至の日のかぼちゃ供養のかぼちゃ接待は500円です。
「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ
・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
ご迷惑をおかけいたします。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。