カキツバタ咲く金閣寺

金閣寺
金閣寺では、カキツバタ(杜若)の花が綺麗に咲いていました。

金閣寺国内外からの観光客でにぎわう金閣寺。その象徴である金色の舎利殿(金閣)は、一層目は貴族の時代の寝殿造、二層目は武家造、最上階の三層目は禅宗の造で、屋根には天下を治める者が正しい政治を行った際に舞い降りるという鳳凰もあしらわれています。金閣はわずか10歳で将軍になった足利義満がたどり着いた、栄華の極みだったのでしょう。創建した当時は最上階のみが金箔で、二層目は黒漆(くろうるし)だったという説もあります。いずれにせよ、それだけ金は貴重だったといえそうです。残念ながら当時の建物は、70年ほど前の1950年に放火によって焼失し、5年後に多くの方々の寄付を中心に再建されました。

金閣寺しかし再建から10年を経て、金箔が剥げ出してしまいます。室内と違い、直射日光による紫外線や風雨にさらされる環境は、通常の金箔では長く持たなかったようです。ということで、1986年から当時のお金で約7億4千万円もの金額を投じて金箔の張り替えが行われ、現在の輝きとなりました。実は、焼けてしまう前の金閣の屋根に輝いていた鳳凰は、焼失を免れて現存しています。義満も眺めたであろう鳳凰をいつか見てみたいものですね。

金閣寺今の時期は、鏡湖池の周囲に咲くカキツバタ(杜若)の花が綺麗です。清楚で涼やかな印象があり、海外の方にも好評のようです。池に浮かぶ島々は日本列島を表し、石は各地の大名から寄進を受けたもの。特別名勝に指定されている庭園こそが、金閣寺が世界遺産たるゆえんです。ぜひ、お庭の方にもじっくりと目を向けてみてください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。

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