9月2日に、松尾大社の八朔祭が行われ、嵐山の大堰川では女神輿の船渡御が行われました。
松尾大社の八朔祭では、女神輿が登場します。女神輿が出るお祭りは京都では比較的珍しく、松尾大社の八朔祭の他には、藤森神社の藤森祭、瀧尾神社などがあります。松尾大社の女神輿は「やまぶき会」の皆さまによって担がれています。
やまぶき会は平成9(1998)年の結成から今年で21年めを迎えますが、松尾大社の長い歴史の中では、女神輿は比較的新しいものです。そもそも女性は神が乗る神輿の長柄にすら触らしてももらえないことが多い中で、こうして女神輿を始められたことには大きな苦労が伴ったことでしょう。今では毎年恒例の行事、八朔祭の目玉の一つとして認知されています。現在もメンバーを募集中で、女性でお祭り好きであれば年齢・国籍不問とのことです。
女神輿の見せ場のひとつには嵐山の大堰川での船渡御があります。4月の松尾祭の神幸祭でも桂川を渡る船渡御があり、松尾大社の神輿といえば船渡御というのがお決まりのイメージです。個人的には、2013年に見に来た際に雨の中で渡っていかれる姿が印象的でした。
12時前に川の南側から神輿が乗った船と、担ぎ手の女性たちが乗った船が出発すると、女性たちの威勢の良いかけ声が響くなか、船が上流へと進んで行きます。12時になると船から花火(といっても、煙が出る程度です)が打ち上げられました。この花火は、対岸の岸にいる迎え太鼓に合図を送る意味もあり、花火が上がった後、より一層、大きな声で盛り上がりながら、船は下流へと進み、無事に岸へ接岸しました。迎え太鼓も勢いのある音で神輿を歓迎しています。
神輿は船から陸に上げられると、少しの間威勢よく担がれて、熱い神輿振りを見せてくれました。その後、担ぎ手は休憩をはさんだのち、神輿は嵐山のメインストリートを北へと進み、野宮神社を目指します。竹林を神輿が抜けて行き、移動をする際に「よとーよとー」の声が挙がるのは印象的です。女性たちの中には子どもさんもおられ、笑顔で子ども神輿とともに進んで行きました。
野宮神社では神事があり、神輿の担ぎ手たちが境内に集合します。観光客も突然の神輿の来訪に驚きつつも、カメラを向けてシャッターを切るなどしていました。この後、しばらく休憩をはさんで一行は松尾大社へと戻っていかれます。往復約4kmの行程、皆様お疲れさまでした。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。