愛宕神社の千日詣り その1

火除けの御利益で京都では篤い信仰を集める愛宕神社。7月31日夜から8月1日朝にかけては、参拝すれば千日分の御利益を授かれるとされる千日詣りが行われました。

台風が中国大陸へと進んで行きましたが、南海上の動きが不穏です。明日には新たな台風が発生し、来週の天気のカギを握りそうです。進路は西進した後、日本に上陸する可能性も十分にある一方、北からの寒気の南下や太平洋高気圧の後退とも相まって進路はまだまだ不確定。台風自体は今回九州の南を通過した10号のようにコンパクトではなく、規模が大きく鍋底型となりそうで、今後の情報に要注目です。いずれにしても猛暑は今週いっぱいでひと段落してきます。今しばらく熱中症には十分ご注意ください。

さて、愛宕神社は京都の北西にそびえる山。その標高924mの山頂に愛宕神社は鎮座しています。京都のお店ではよく「阿多古祀符火廼要慎(あたごしふひのようじん)」 と書かれた愛宕神社のお札を見かけ、火除けの御利益で知られる神社です。山頂への道はふもとの清滝からおよそ2時間、往復5時間ほどは要する初心者にはなかなか険しい山。千日詣り(千日通夜祭)が行われるのは夜で、山の天気も変わりやすく、それなりの装備が必要。決して甘く見て登らない方がよいでしょう。

千日詣りはかつては旧暦の6月24日に行われていました。以前のブログにも書きましたが、愛宕山は京都に雷雲をもたらす「丹波太郎」がよくやってくる方向にあります。雷は火を呼び、京都でも歴史上、幾多の高層建築物が落雷によって焼失しています。つまり愛宕山は気象的に見ても、雷が生まれてくる方向にある山。もともと24日が愛宕さんの縁日で、旧暦6月24日は、今の暦で7月後半から8月前半に当たり、梅雨明け後にはじめて迎える縁日です。真夏はまさに夕立をもたらす「丹波太郎」の頻度が増える頃。愛宕信仰にはいろいろな歴史があるにせよ、気象的に見ても面白い裏付けだと思います。

この日は清滝へのトンネルは車両のみしか通れなくなり、清滝の駐車場がいっぱいになると基本的にはバスしか通行できなくなります。徒歩で向かう方は試峠を越えていく必要がありますのでご注意ください。現代も千日詣りは数万の人を集めるほど賑わっています。これは信仰の力もさることながら、若者の力も大きく寄与しています。清滝へと向かうバスも多くの若者であふれていました。どうやら徹夜での登山が大学の体力系サークルの伝統行事になっているようで、サークル総出で挑戦する元気のよい方々にも出会いました。また山ガールと呼ばれる若い女性だけのグループもたくさんいらっしゃいました。

この日は天気は安定して雨やガスの心配はなく、空気も比較的乾燥、足元も乾いて良好と、絶好の登山日和。例年、天気が急変することもありますが、今年はずいぶんと恵まれました。私も天気を見てこんなチャンスはなかなか無いと思って参加を決意しました。湿度の高い年は山中で動けなくなる方も増えてしまいます。好天だった今年の千日詣り。実際の登山の様子は次回以降にお届けします。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。


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