23日に、妙心寺の大法院を散策で訪れました。私の大好きなお寺で、今年は12月3日まで特別公開されています。
大法院は、松代藩主であった真田信之の孫娘である長姫(おさひめ)が、信之の遺言に沿って菩提寺として創建した塔頭。信之は、あの真田幸村の兄にあたります。また幕末に松代藩で儒学の先生も務め、京都で暗殺された佐久間象山が眠るお寺でもあります。ということで、長野県の方には縁が深いお寺です。なお先日、千代の富士の顕彰碑も建ちました。千代の富士が妙心寺で紅葉を楽しむ「もみじの会」に、現役時代から参加していた縁で建立されたそう。昭和の大横綱を偲ぶ寺ともなりました。
お庭は茶室に付随した露地庭園で、ひなびた雰囲気の腰掛待合が趣を添えています。茶室は有隣軒と名付けられ、他人に親切にする者は孤独にはならない、常に隣に誰かがいてくれるという論語の教えが秘められています。拝観はお抹茶が必ず付いており、似た応対の場所といえば大原の宝泉院が思い出されるかもしれません。拝観料は700円です。
お寺のパンフレットにも書かれていますが、このお庭を眺めるときのテーマは「且座喫茶(しゃざきっさ)」です。禅語で「まぁ、座ってお茶でも召し上がれ」といった意味だそう。堅苦しい話は抜きにして、ただ目の前に広がる美しいお庭を眺めながらお茶を頂くという気楽さが、私好みでもあります。日常の慌ただしさから解き放たれたいときにお勧めの場所です。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。