天龍寺を訪れると半夏生(ハンゲショウ)と紫陽花(アジサイ)、桔梗(ききょう)が綺麗に咲いていました。
天龍寺は嵐山にある世界遺産の寺院で、室町時代のはじめに足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために創建した禅寺です。創建当初から伝わる曹源池庭園は、国の特別名勝に指定され、嵐山を借景とした雄大な池泉庭園の奥に石橋や滝組がある枯山水の香りもする名庭です。夏の時期は緑が美しく、観光客の目を楽しませてくれます。
その曹源池庭園の北側の水路に沿って、今は半夏生(ハンゲショウ)が見ごろを迎えています。この北側の水路は、四季の花が絶妙なタイミングで入れ変わっていく場所で、よく計算されて花が植えられています。春先にはフキノトウを見かけ、春の盛りにはアヤメ、今は一面にハンゲショウが葉を白く染めて見事。私もご案内で訪れるたびに、この場所の景色の変化を楽しみにしています。
半夏生が咲いている場所の向かい、小方丈にそっては桔梗の花も植えられています。この日はたくさんの花が咲いていました。花も大きめで、見ごたえのある桔梗の花です。なお、小方丈や大方丈などの建物には、お庭の料金(500円)+100円で上がることができておすすめです。お庭の東側入口の近くにある庫裏から入ることができます。
境内を奥に進むと、百花苑を中心に紫陽花(アジサイ)も綺麗です。百花苑は四季折々に花が咲き、どの時期も必ずと言っていいほど何かの花に出会える場所です。天龍寺の紫陽花は青色の種類がほとんどですが、多宝殿の周りなどにも植えられていて、苔の緑に紫陽花の青が涼しげな印象でした。また、竹林をバックに咲く様子にも京都らしさを感じます。境内を彩る花々が咲き、天龍寺は華やかです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。