化野念仏寺 千灯供養


23日・24日は化野(あだしの)念仏寺千灯供養が行われました。また、界隈の道を照らす、愛宕古道街道灯しも同時に行われています。

化野を「あだしの」と最初から読める方はまずいないと思います。「あだし」には「はかない・むなしい」との意味があり、「化」の字には、「生→死→生」へと化けることを願う意味があるようです。化野は、鳥辺野・蓮台野と並ぶ京都の三大葬送地で、当初は「風葬」といって、土葬ではなくいわば野ざらしで埋葬をしていた土地でした。しかし時代とともに風葬から土葬に変わり、石塔や石仏が置かれて供養されるようになりました。やがて時が経ち石仏は無縁仏となって、この地で埋まったり転がったりをしていました。

化野念仏寺は、平安時代の初期に空海がこの地にお堂を建て、野ざらしになっていた遺骸を埋葬したのが始まりと言われています。現在境内にある8000体とも言われる石塔・石仏は、明治後半に付近に点在していた無縁仏を集めたもので、西院(さい)の河原と呼ばれています。8000体と言うと確かにすごい数ですが、実際には意外と狭い範囲に集められています。まだまだこの付近に眠っているものもあるのでしょう。

千灯供養は、地蔵盆の行事として無縁仏のお精霊(しょらい)に献灯をして供養するものです。境内には独特な節回しで供養をする回向(えこう)が流れ、蝋燭の穏やかな明かりとともに厳かな雰囲気もあります。今年は東日本東北大震災で亡くなられた方の冥福を祈る思いも込められています。
献灯料などで1000円が必要で、大雨などの警報が出る際には中止になることもあるそうで、不安な時はお問い合わせの後、行かれるとよいでしょう。

また、清涼寺(表向きには祇王寺)から愛宕神社の一の鳥居にかけ、愛宕古道街道灯しの行事が行われ、嵯峨芸術大学や地元の方の手作りによる灯籠が数多く置かれています。大きめの灯籠はお地蔵さんをモチーフにしているそう。こちらも大変美しく、風情があります。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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