8月5日の夜に醍醐寺で醍醐山万灯会が行われ、五重塔や金堂も美しくライトアップされました。
8月の京都は夜の祈りの行事が続きます。万灯会もその一つ。醍醐山万灯会では、地元の子供たちが描いた絵が金堂の周りに貼られ、手作りの絵が描かれた灯籠が金堂の前に並べられる一方、お坊さんにより施餓鬼法要も行われて真言や鐘の音も響くなど、独特な雰囲気のある行事です。金堂や五重塔も幻想的にライトアップされます。醍醐寺のホームページによると「ご先祖と精霊(しょうりょう))を供養し、命の尊さに心を寄せるため」に万灯会が行われているとのこと。
日が落ちるとともに、近くの小学生らが作成した灯籠にも火が灯され、境内は多くの子供や家族連れで賑わっていました。自分の作った灯籠や絵を探して歩く姿はほほえましい光景でした。灯籠は順次持ち帰られていくため、並ぶ様子を眺めたい方は暗くなりはじめる19時過ぎにはいかれるとよいでしょう。なお、18時半から先着500名には五重塔前でそうめんが振る舞われます。今年は猛暑の影響もあってか人出が少なかったようで、19時半過ぎでも残っていました。
金堂の手前に並ぶ灯籠は、近年はその数が少なくなりました。どうやら少子化が最たる影響のようです。もともとが灯籠の奉納は希望者のみですので、年によっての変動はあるようです。例年は迷路のように灯籠が並べられて、子どもたちが自分の灯籠を楽しそうに探す姿が見られるのですが、2015年は列ごとに並べるしかなかったこともありました。その時以来に訪れましたが、今年はまた「迷路」になっていて、頑張って探している子どもたちが戻ってきました。
この日は、金堂や五重塔が美しくライトアップされます。醍醐寺の五重塔は951年の建立で、京都府下で最も古い木像建造物。世界遺産のたいへん由緒あるお寺も、この日ばかりは「地元のお寺」。子どもたちや親御さんが笑顔で訪れている様子が印象的です。由緒あるお寺は格式高いイメージですが、もしかすると、ずっと昔からこうして子どもたちを迎えていたのかもと親しみを覚えるほどです。美しい光景と相まって、温かみを感じる行事ですので、機会がありましたら8月5日の夜に訪れてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。