與杼神社 契のイチョウ

與杼神社のイチョウ
京都市の南、伏見区の淀にある與杼神社(よどじんじゃ)に立つ、契(ちぎり)のイチョウが見ごろでした。

與杼神社のイチョウ12月3日に、與杼神社を訪れました。京阪の淀駅からほどなくの場所で、淀城跡の石垣も間近の神社です。淀・納所・水垂・大下津の産土(うぶすな)神として祀られ、創建は平安時代の応和年間(961年~963年)に、僧の千観が肥前国(佐賀県)の與止日女(よどひめ)神社から勧請したとされます。しかし応和年間よりも古い延喜年間にも存在をしていた記録があるため、実際さらに古くからあるともいわれています。

與杼神社のイチョウもとは現在桂川の河原になっている場所に位置していましたが、現在地には明治時代中期に遷座されました。淀地域はかつては水上の城下町ともいえるほど、複雑に堀や水路・河川が入り組んでいた地域。それが明治以降に桂川や宇治川・木津川の付け替えという大工事を経て、現在の土地区画が形成されてきました。淀地域の土地の由緒も大変興味深いものがあります。

與杼神社のイチョウさて、與杼神社の境内のイチョウは、同じくらいの高さの木が二本あり、参道を挟むように対になって立っています。神社が移ってくる前からこの地に立っていたとされる木で、高さは約16mと、樹高も高く立派なイチョウの木です。かつては参道には鳥居が建っていましたが、2007年に撤去され、約9m離れた二本のイチョウの間には鳥居の替わりにしめ縄が張られ、「契のイチョウ」と名付けられました。

與杼神社のイチョウ二本のイチョウは夫婦にも例えられ、この日もちょうど仲良く見ごろを迎えて青空に黄色の鮮やかな色が映えていました。樹齢は2007年当時で約150年とも言われているため、現在は約160年と言ってよいでしょう。160年前はちょうど幕末のころ。河川が付け替えられる前の淀の古い時代を知っている木のひとつなのかもしれません。よい時に訪れることができました。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。

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