醍醐寺の桜が見頃を迎えています。圧巻の巨木の桜が立ち並ぶ、京都指折りの桜スポットです。
醍醐寺は、早咲き桜の時期には京都でも一押しのお寺です。天下人・豊臣秀吉が「醍醐の花見」を催したことでも知られ、境内にはその時の桜の子孫とされる巨木のしだれ桜があちらこちらに植わっています。その1本1本が、他の社寺にあれば有名になっていたに違いないと思えるほどの立派さ。有料拝観エリアの三宝院、伽藍、霊宝館のそれぞれで一級品の桜に出会うことができます。
醍醐寺は、三宝院・伽藍・霊宝館の3か所の拝観エリアに分かれ、3か所共通券のみでこの時期は1500円が必要です。時間の都合などで入らなかったエリアの券は、次回以降にも使用できます。また、伽藍のみ16時半までの入場で、券の販売は16時で終了します。三宝院と霊宝館は16時半までの券の販売です。ご注意ください。
寺は、国宝や重要文化財をなんと7万点以上も保有し、合計10万点以上もの寺宝を保管・展示しているのが霊宝館。上醍醐、薬師堂の薬師如来像など、こちらでしか目にできない貴重な寺宝を見学できる場所です。そして今の時期は、咲き誇る桜が本当に見事。中庭の古木のしだれ桜は「醍醐深雪(みゆき)桜」と呼ばれ、数年前までは京都ナンバーワンといえる巨木の桜でしたが、近年樹勢が弱り、枝がずいぶんと寂しくなってしまいました。霊宝館の主役は樹齢100年を超える立派なソメイヨシノへと移っているようです。
しかし、枝が寂しくなっても、こうして咲いてくれていることには感謝するばかり。まだまだ立派で美しいと思います。醍醐深雪桜は、霊宝館内の休憩室でソファーに座って眺めることもできますので、そちらからの眺めもお見逃しなく。休憩室へは、最も大きい展示室から入ることができます。
醍醐寺では三宝院の入り口にも立派な桜があり、こちらは「太閤しだれ桜」と呼ばれています。三宝院のお庭は豊臣秀吉が自ら設計したと伝わり、太閤秀吉にちなんで名づけられているのでしょう。画家の奥村土牛(とぎゅう)は、この桜を「醍醐」という画名で絵に描いたところから、別名「土牛の桜」とも呼ばれています。こちらは27日の段階で散り初めでした、お早めに訪れてみてください。三宝院内では、建物を回り込んだ場所にある憲深林苑(けんじんりんえん)の桜も綺麗です。見逃しやすいのでご注意を。
伽藍のエリアでは、金堂横に咲く桜や、清滝宮(せいりゅうぐう)の辺りから五重塔を包むように咲く桜が見事です。金堂は紀州湯浅から秀吉が建物を仏像ごと移してきた建物で国宝。五重塔は京都府最古の建物で、天暦5(951)年に建てられたものです。各時代の修復は行われていますが、こうして目の前に立っていることが奇跡としかいいようがありません。各層は上に行くほど少しづつ小さくなり、相輪の部分が塔の高さの約3分の1を占めて安定感も感じさせます。美しい塔は桜のあるなしに関わらず、一見の価値があります。京都ナンバーワンともいえる桜で華やぐ醍醐寺に、是非訪れてみて下さい。桜は早咲き桜が特に巨木でソメイヨシノもあります。お早めに。
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まだまだ楽しめる桜歩き 京都府庁の観桜会と堀川沿いの桜 - 4月5日(木)午後【NHK文化センター岐阜教室で受付中!※全国からお申込できます】
天皇も愛でたしだれ桜 近衛邸跡と京都御苑の桜巡り - 【受付準備中!】4月11日(水)午後、4月21日(土)午前
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。