伏見稲荷大社 節分祭


2月3日は節分。京都各地で、節分の行事が行われました。伏見稲荷大社の節分祭では、艶やかな着物を着た福娘が登場しました。

まず最初に天気の話。今夜からの雪予報ですが、近畿は京阪神の都市部は概ね雨の見込み。内陸や山沿いでは雪が積もる可能性はありますが、大雪まではいかない見込みです。某民間気象会社は、京都は「うっすら」と予想しています。一方、気象台は今夜は雪マーク(雪か雨)、明日6日は雨マーク(雨か雪)としています。これは、初めは雪で降る可能性の方が高いですが、やがて雨に変わると見込んでいることを表しています。雪か雨の場合は、見た目上「雪マーク」、雨か雪の場合は「雨マーク」となりますので、この僅かな違いで、受け手に与える印象が大きく変わる点も、雪予報を難しくしているところです。以上のように、今回の近畿は、都市部では大きく積もる可能性は低いですが、可能性がゼロかと言えば、そうでもありません。念のため、少し早起きをしておくと、安全です。一方、関東では大雪が見込まれます。寒気の強さから見て積雪の可能性が高いのは各社異論はないところですが、具体的な降雪量(または積雪量)が、各社によって割れています。それはすなわち「ふたを開けてみないとわからない」ことの裏返しでもあります。無責任かもしれませんが、言いきることができないと伝えるのも誠実な予報であることもあります。こういう時は、悪目の可能性(東京23区の多いところで降雪量10cm)で行動されるほうが安全でしょう。

なお、テレビを見ていると、関東や東海、近畿などの地域単位で一円が同じ色で塗られて、例えば「近畿の多いところで15cm」と、沿岸部も山沿いもひとまとめにして降雪量を伝えている画面をよく見かけましたが、これは誤解を生むのでやめた方がいいでしょう。降雪量の「多いところで」というのは、一般的に山沿いが中心です。都道府県単位ですら、降雪量の予想に大きな差があるにも関わらず、関東や東海という単位の中で、最も多い数字をひとまとめにして伝えるのは、間違った情報を伝えているに等しい。例えば、近畿南部沿岸部で15cmも降ることは「無い」と断言できますし、実際15cm積もりそうなのは近畿の中でもごく狭い範囲です。せっかく気象台が細かい情報を出していても、報道が誤解を与える伝え方をしてしまっては、意味がありません。せめて都道府県単位で塗り分けるなど、より正しい情報の伝え方を検討して頂きたいと思います。

さて、2月3日の節分。節分は「季”節”の”分”かれ目」を表し、本来は四季それぞれにあるものですが、現代では立春前日の節分が風習として残されています。立春は、気温が上昇に転じる重要な転換点。光の面では既に冬至から太陽の力は回復しているものの、気温は下がり続けていました。そして立春を迎えてようやく、気温も回復してこれから半年間にわたって上昇し続けます。こうして新たに生命が活力を得ていく今の時期が、旧暦では新年とされ、新たな一年を迎える前の厄除けの節目として春の節分行事が残っています。なお、立春と旧暦の正月とは近い日付ではあるものの、ほとんどの年で「立春=旧暦の正月」ではありません。年によっては、立春が前の年の12月に入ることもあります(年内立春。ちなみに2013年も年内立春)。詳しくは昨年の立春のブログをご覧ください。

節分の行事は、庶民に根付いた風習で、さらにお寺や神社を問わないため、京都では本当に各地で数多くの行事が行われています。京都の一年で最も行事が多い日は間違いなく節分の日です。どこの社寺へ行こうかと迷ってしまいますが、今回は伏見稲荷大社→天龍寺→廬山寺→吉祥院天満宮→滝尾神社→文子天満宮と回って来ました。それぞれ、全く様子の違う節分行事が行われていますので、順番にご紹介していきます。

まずは、伏見稲荷大社。商売繁盛のご利益で知られ、正月三が日だけで270万人もの人が初詣で訪れる神社です。節分祭では、艶やかな着物を着た福娘が登場し、豆まきが行われます。伏見稲荷の節分祭は午前9時から。神事は本殿で行われますが、撮影は出来ませんのでご注意ください。豆まきは9時45分ころからと11時30分・13時の3回、外拝殿で行われます。

私は朝一の豆まきを見てきましたが、9時過ぎには大勢の方が集まって来ていました。9時45分ころになると、神事を終えて神職や福娘たちが外拝殿に移動してきます。そして拝殿に均等に並ぶと、いよいよ豆まきの始まり。十分な数が撒かれますが、やはり相応の激しさですので、怪我のないよう十分にご注意ください。

豆まきが終わると、拝殿の前で福娘さんたちの記念撮影が行われました。色とりどりの着物が美しく、伏見稲荷の明るい朱色の建物ともよく似合っていました。伏見稲荷の豆まきは、京都の中でも華やかな豆まきだと思います。機会がありましたら、訪れてみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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