見頃に入った醍醐寺の桜

醍醐寺 霊宝館
醍醐寺のしだれ桜が見頃に入っています。特に霊宝館の中庭には、京都一と言っても過言ではない巨木のしだれ桜が咲いています。

醍醐寺 霊宝館醍醐寺は、早咲き桜の時期には京都でも一押しのお寺です。天下人・豊臣秀吉が「醍醐の花見」を催したことでも知られ、境内にはその時の桜の子孫とされる巨木のしだれ桜があちらこちらに植わっています。その1本1本が、他の社寺にあれば有名になっていたに違いないと思えるほどの立派さ。有料拝観エリアの三宝院、伽藍、霊宝館のそれぞれで一級品の桜に出会うことができます。

醍醐寺 霊宝館なかでも、霊宝館の中庭に咲く桜は必見です。醍醐寺は、国宝や重要文化財をなんと7万点以上も保有し、合計10万点以上もの寺宝を保管・展示しているのが霊宝館。上醍醐、薬師堂の薬師如来像など、こちらでしか見られない貴重な寺宝を見学できる場所です。そして今の時期は、咲き誇る桜が本当に見事。最も巨木のしだれ桜は「醍醐深雪(みゆき)桜」と呼ばれ、枝を横に伸ばすその姿は、写真を撮っても入りきらないほどの大きさがあります。

醍醐寺 霊宝館これほどの桜は京都広しといえども、他にはないでしょう(少なくとも私は知りません)。見る人は口々に「綺麗!」「すごい!」と声に出します。私が訪れたのは27日でしたが、空は快晴で本当に綺麗な時に見ることができました。醍醐寺には毎年訪れているものの、快晴の空でこの桜と向き合うのは久しぶりです。改めて感動させてもらいました。

醍醐寺 霊宝館醍醐深雪桜は、霊宝館内の休憩室でソファーに座って眺めるのも穴場ですので、そちらからの眺めもお見逃しなく。休憩室へは、最も大きい展示室から入ることができます。また、霊宝館の中庭には、樹齢100年という巨木のソメイヨシノもそびえています。しだれ桜に目が行きがちですが、実はこちらもすごい木ですね。

醍醐寺 三宝院醍醐寺では三宝院の入り口にも立派な桜があり、こちらは「太閤しだれ桜」と呼ばれています。三宝院のお庭は豊臣秀吉が自ら設計したと伝わり、太閤秀吉にちなんで名づけられているのでしょう。画家の奥村土牛(とぎゅう)は、この桜を「醍醐」という画名で絵に描いたところから、別名「土牛の桜」とも呼ばれています。こちらも、今週末から見頃に入っていると思います。

醍醐寺 三宝院 憲深林苑秀吉は亡くなる年の春に醍醐寺で花見を行いました。女房・女中約1300名を従えた壮大な花見で、近畿一円からおよそ700本もの桜を取り寄せ、それぞれに趣向を凝らした8軒の茶屋を建て、順番に巡っていきました。立派な太閤しだれ桜を見ていると、当時の光景を偲ぶことができます。三宝院内では、建物を回り込んだ場所にある憲深林苑(けんじんりんえん)の桜も綺麗です。忘れずに訪れてみて下さい。

醍醐寺 伽藍伽藍のエリアでは、金堂横に咲く桜や、清滝宮(せいりゅうぐう)の辺りから五重塔を包むように咲く桜が見事です。金堂は紀州湯浅から秀吉が建物を仏像ごと移してきた建物で国宝。五重塔は京都府最古の建物で、天暦5(951)年に建てられたものです。こうして目の前に立っていることが奇跡としかいいようがありません。各層は上に行くほど少しづつ小さくなり、相輪の部分が塔の高さの約3分の1を占めて安定感も感じさせます。美しい塔は桜のあるなしに関わらず、一見の価値があります。桜で華やぐ醍醐寺に、是非訪れてみて下さい。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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