鞍馬といえば鞍馬山と鞍馬寺。山には天狗が住むとされ、遮那王(しゃなおう)と名乗った牛若丸が僧正ヶ谷で剣術を学んだという伝説が知られています。鞍馬山には義経ゆかりの場所が点在し、そうした由緒をたどることができ、また鞍馬寺の本尊である尊天のうち、護法魔王尊の姿はまさに天狗のような風貌で、鞍馬寺の本殿金堂の向かって左にある光明心殿を拝すれば、その姿を目にすることもできます(鼻は高くありません)。
そんな鞍馬の玄関口である叡電の鞍馬駅前には、高さ2.8mもの長い鼻を持つ大きな天狗の顔の像が置かれています。像は1994年の平安建都1200年を記念して鞍馬の自治会の皆様により作られたもので、2002年から駅前に置かれているのだそう。私の記憶でも、2003年に鞍馬に訪れたときに目にしていました。2017年には大雪で鼻が折れる被害がありましたが、復旧されてまたその姿を見せてくれていました。
今回、天狗像が新しくなったのは、叡山電車鞍馬線が2018年12月1日に開通90周年を迎え、今年12月までの約1年間で行われている「鞍馬線開通90周年事業」の一環とのこと。10月18日にお披露目となった新しい大天狗は、京都精華大学マンガ学部キャラクター・デザインコースの皆様によるデザインで、従来の大天狗のイメージを受け継ぎつつ、力強さの中に地域を見守る優しさやあたたかさを表現したそうです。凛々しいその姿は印象的ですね。
現在の天狗も12月20日まで設置されています。この秋が最後の姿となるのは少し残念ですが、今であれば二つの天狗像を目にすることができますので、この機会に鞍馬に足を延ばしていただくのもおすすめです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。