若一神社の七草粥

若一神社 七草粥
1月7日は、人日(じんじつ)の節句で、京都各地で七草粥が振る舞われ、私も若一神社で頂いてきました。

若一神社 七草粥京都の新年の行事の一つとも言えるのが七草粥。その由来については、昨年の御香宮神社の七草粥の記事で詳細にまとめました。手前味噌ながら、要点がまとめられた記事だと思いますので、よければご覧になってみて下さい。今年は、西大路八条にある若一(にゃくいち)神社で七草粥を頂いてきました。

若一神社の平清盛像若一神社は、平清盛の邸宅・西八条邸の鎮守として、清盛が土の中から発見したという若一王子(熊野権現の第一王子)像を祀り、その後、清盛はさらに出世をして太政大臣にまで昇ったことから、出世開運のご利益で知られています。西大路通側には樹齢800年、平清盛が太政大臣昇進に感謝してお手植えしたという楠の大木がそびえています。先日ご紹介した新熊野神社の楠は、清盛が仕えた後白河上皇御手植えと伝わりますので、同じ熊野信仰と楠という繋がりも感じることができます。

若一神社 楠この楠には、有名な伝説もあります。昭和9年、市電の路面工事に伴って、当時、現在の西大路通の真ん中にあった若一神社は、道路東側の現在地に移転することになりました。しかし、境内に根を張る立派な楠は動かすことができませんでした。この楠に手をかけた者は、枝から落ちたり身内に不幸が起こったためです。これはご神木の祟りに違いないという話になり、仕方なく市電の軌道や道路の方が楠を迂回して敷設されました。京都の道路は基本的には真っすぐですが、若一神社の前で少し曲がっているのはそのためです。その後、楠は昭和40年代半ばに一時枯れかけましたが、手当の甲斐あって回復し、現在も青々と茂っています。

若一神社 七草粥若一神社の七草粥は無料で頂け、社務所内でゆったり座って頂くことができます。中は多くの地元の方で賑わっていました。七草粥は、年の初めに凍った土から芽を出す生命力豊かな旬の若菜を頂いて、無病息災を願う(若返りの力を得る)行事。毎年の恒例行事として訪れている方も多いことでしょう。若一神社では七草粥のみならず、お神酒も自由に頂くことができ、至れり尽くせりでした。

八坂神社 北向蛭子社の恵比須像この日は、上賀茂神社で白馬総覧神事も行われていました。今年は午年ですので、例年以上に賑わっていたことでしょう。七草粥が終わると、京都は「十日えびす」の行事へと続いて行きます。商売繁盛を願う行事で、しばらくは話題にも上ることでしょう。京都旅屋でも10日に散策を実施しますので、よろしければご参加ください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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