渉成園 特別公開の蘆庵

渉成園 蘆庵
9月30日まで、渉成園の茶室・蘆庵(ろあん)が特別公開されていました。

渉成園渉成園は、寛永18(1641)年に徳川家光が東本願寺に寄進した土地で、石川丈山が庭園を築きました。当初は生垣に枳殻(からたち)が植えてられていたため枳殻邸(きこくてい)とも呼ばれています(カラタチは現在も一部が残る)。幕末の火災で建物は失われましたが、池泉回遊式の美しい庭園が残り、現在は桜と紅葉の穴場のみならず、梅や藤など四季折々に美しい風景を楽しむことができる場所です。この時期は、ムラサキシキブの実が綺麗です。

渉成園再建された建物も趣があり、園内中央にある楼門造りの傍花閣(ぼうかかく)が特に印象的ですが、池にかかる屋根付きの木橋は回棹廊(かいとうろう)と呼ばれ、中央部の唐破風屋根が特徴。園地は平安初期の貴族・源融(みなもとのとおる)の邸宅・六条河原院の跡とされることもありますが、場所がずれており史実ではありません。ただ、六条河原院を偲んで塩釜の手水鉢が置かれていたり、造営中に発掘された石塔が源融の供養塔として建てられています。

渉成園 蘆庵2階建て茶室の蘆庵(ろあん)は、9月30日まで特別公開されていました。訪れたのが最終日とありかなり混んでいましたが、運よく人がいない写真を撮れました。蘆庵の名は2階の天井に蘆(あし)が用いられているのが由来です。2階から眺めると庭園の目線が変わって新鮮です。京都タワーも屋根瓦越しに望めました。

渉成園庭園は、浸雪橋の修復工事のため長らく印月池の水が抜かれていましたが、徐々に水が入りつつあります。10月末には浸雪橋も渡れるようになるそうです。今回は貴重な体験をすることができました。

渉成園 蘆庵
渉成園 蘆庵
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渉成園

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。

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