祇園祭の宵山の夜には日和神楽(ひよりかぐら)が行われます。各山鉾のお囃子が、車の付いた枠に鉦を吊るした移動式のお囃子セットとともに四条寺町の御旅所(長刀鉾のみ八坂神社)まで向かい、翌日の巡行の晴天を祈願するものです。21時半を過ぎる頃になると、各山鉾町から次々に四条通に日和神楽が出て、御旅所へと進んで行きます。
日和神楽の経路は松原通を通るところもあります。八坂神社の氏子圏の南端が松原通で、かつては前祭(さきのまつり)の山鉾巡行も松原通を進んでいました。近年は四条通の混雑を避ける目的もあって、帰りに松原通を通っているそう。松原通の方々にとっては、山鉾の巡行のかわりともいえる行事として定着し、21時半~23時過ぎという遅い時間帯ながら、多くの方が沿道で待ち、日和神楽を迎えているのが印象的でした。
私が確認したところでは、松原通を通ったのは船鉾、綾傘鉾、岩戸山、函谷鉾の4つでした。松原通と因幡薬師堂の間の不明門通(あけずどおり)には、地元の洛央小学校の4年生が描いた燈籠が並べられて日和神楽を迎えます。函谷鉾はここまでは来ませんが、残りの3つは燈籠の場所まで来てくれます。
中でも、綾傘鉾は因幡薬師堂で棒振り踊りを奉納します。今年は22時50分という遅い時間帯になりましたが、それでも地元の皆さまがたくさん集まってご覧になっていました。勢いよく棒を振る様子はいつみてもかっこいい。四条通の宵山は大混雑となりますが、ここは地元の方の空間です。よいものを見させていただきました。また、綾傘鉾と函谷鉾は日航プリンセス京都でもお囃子の奉納を行っています。こちらも23時~23時半という遅い時間でしたが、たくさんの方が待っていました。
そして八坂神社まで向かっていた長刀鉾の日和神楽は、すっかり人影もなくなり交通規制も解除された四条通を、未明の24時30分ころに町内に戻ってきます。人数も町内総出と言ってよい大人数で、すべての山鉾の代表として八坂神社まで行っているようにも感じました。遅くまでのご奉仕ののち、翌朝の巡行を迎えています。日和神楽のおかげもあってか、今年も無事に巡行が終えられて何よりでした。
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吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。