10日は、平野神社で桜花祭が行われ、満開の桜の下、行列が氏子地域へと出発していきました。
平野神社は、もとは平城京の皇后(高野新笠:たかののにいがさ)の御殿にあった神社で、長岡京を経て平安京への遷都時に現在地に移されたとされています。高野新笠の子が、平安遷都を行った桓武天皇。つまり平野神社は朝廷にとって大切な神社で、そこかわ分かれた源氏や平氏など諸氏の氏神としても信仰されました。平安時代の平野神社は今よりもはるかに広く、約2km四方もあり、金閣寺の辺りまでが境内地だったといわれています。
神社は江戸時代から桜の名所として知られるようになり、特に夜桜が有名で、現在も明るいライトアップではなく、昔ながらの優しい明かりで照らされた夜桜が見られます。毎年、近くの衣笠小学校の新四年生が描いた絵が灯籠にかぶせられて、桜に彩りを添えています。また、平野神社の桜は種類が多いことでも知られています。これは諸氏が自らの家に伝来の桜を奉納して家運隆盛を祈ったためといわれ、現在も境内には早咲きから遅咲きまで約60種、400本の桜が植わっています。植物園も顔負けではないでしょうか。
桜花祭は、平安時代の985年(寛和元年)4月10日、時の花山天皇の命で平野臨時祭として行われたことに由来しています。桜花祭の目玉は13時に神社を出発する、総勢200名の神幸列。露払いの鬼に始まり、織姫のいる染色列、平安風俗を伝える東遊(あずまあそび)や曲水列、さらには騎馬武者列など、雅な時代行列が氏子地域を練り歩きます。もちろん御祭神も鳳輦(ほうれん)と呼ばれるお神輿に載って巡行します。満開の桜に似合う華やかな行列が、今年は満開の桜の下を出発していきました。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。