妙蓮寺の芙蓉と彼岸花

妙蓮寺の芙蓉
西陣の妙蓮寺の境内では、芙蓉(ふよう)の花と彼岸花が咲いています。

妙蓮寺の芙蓉妙蓮寺は1294年に日蓮の孫弟子・日像上人によって創建されたお寺です。境内には芙蓉の花が多く、京都で芙蓉の名所と言えば妙蓮寺の名が挙がるという場所。種類も豊富で、妙蓮寺のホームページによると、一重ピンク・一重白・一重酔芙蓉・八重酔芙蓉・くす玉芙蓉・二重ピンク・一重濃ピンクがあるそうです。

妙蓮寺の芙蓉芙蓉は、花の彩りが少なくなる真夏の暑い時期に咲く花として親しまれていますが、花期が長いのも特徴でまだまだ楽しめます。芙蓉は一日花ですので、日によって花の咲く位置が違います。かの松尾芭蕉も「枝ぶりの 日ごとに変る 芙蓉かな」との句を詠んで愛でた花でもあります(妙蓮寺の花を愛でたのではありません)。今の境内は赤い紅芙蓉がよく咲いていますが、その他の種類は花があまりありませんでした。ただ、つぼみはありますのでまたこれから花が増える一山が来そうです。朝は白く、時間とともに酔っぱらったように色が赤く変化していく酔芙蓉(すいふよう)は10月にかけて咲いてきます。

妙蓮寺の彼岸花また、境内の本堂向かいの芙蓉の花のたもとには彼岸花も咲き始めています。真赤に咲く花はお彼岸を感じさせてくれます。彼岸花は花が咲いた後に葉が出るため「葉は花を思い、花は葉 を思う」として「相思華(そうしばな)」とも呼ばれます。私が子どものころには「持って帰ると家が火事になる」と言われて怖かった思い出があります。確かに炎が燃え盛っているような外観をしています。球根には毒があるため、そうした怖い話も伝わっているのかもしれません。一方で、毒は長時間水にさらせば溶けるため、彼岸花の球根は非常食として、用いられたとも聞きます。いずれにしても、人々に身近な花として親しまれてきたのでしょう。京都市街地でまとまって咲くのは珍しく、足を延ばす価値のある場所です。なお、彼岸花は終わっていそうですが、9月28日の散策で妙蓮寺の境内を訪れます。参加費は災害義援金として寄付させていただきますので、よろしければご参加ください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。

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