10月18日に大将軍八神社の例祭の宵宮が行われ、16時からの「おろち餅」を見てきました。
大将軍八神社は、都の西を守り方角を司る陰陽道の神「大将軍」を祀る神社で、方除けのご利益で信仰されています。大将軍は3年ごとに存在する方角を変え、その方角は万事に凶とされ恐れられていました。ただ、四季の土用の期間はその方角を離れるとされており(遊行日)、救いもあったりします。現在はスサノオノミコトを主祭神としてお祀りし、門前の一条通に沿った商店街は妖怪ストリートとしても有名になって、例祭の宵宮では妖怪行列も行われています(後日ご紹介予定)。
さて「おろち餅」は、祭神のスサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した伝説にちなむもので、神社の出口には上手に作られたヤマタノオロチの姿(発泡スチロール製か)があり、そこから大蛇の胴体に見立てたお餅を長く長く紙屋川付近まで70mほど伸ばして尻尾に繋ぎます。お餅の前には地元の方がずらりと並んで、神職さんが「えいえいやー!」と先頭のヤマタノオロチを斬る所作をしたのを合図にして、皆で一斉に大蛇のお餅を握って分断し、袋に入れて持ち帰るという行事です。ユニークな面白い行事ですね。
時間は16時からとなっていますが、お餅はつきたてを用意するためか、なかなか尻尾までのお餅が届きません。その間、地元の方はじっと待っているわけですが、こうしたゆったりしたところもお祭りらしくてよいですね。辺りでは、待ち時間にも楽しんでいただくためか太鼓が軽快なリズムで叩かれていて、時には激しく、リズミカルな演奏を響かせていました。
ということで、実際に大蛇が「斬られた」のは16時半頃になってから。斬られるのは一瞬ですが、特に子どもたちは楽しそうに餅を刻んでいたのが印象的でした。夜には妖怪行列が行われるとあって、辺りにはこの時間から特殊メイクやお面などで妖怪やその類に変装した人たちがウロウロ。若者が多く、特に女性が多いのが特徴的です。何かブームがあるのかもしれません。夜の妖怪行列の様子はまた後日ご紹介します。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。