京都御苑 拾翠亭からのサルスベリ


京都御苑の南、九条邸跡に残る茶室・拾翠亭の前にサルスベリ(百日紅)が美しく咲いています。

九条邸跡は勾玉形と言われる九条池を中心とした場所で、京都御苑の中では穴場スポットになっています。中でも拾翠亭(しゅうすいてい)は、金曜日と土曜日には一般公開もされており、僅か100円という拝観料で公家の五摂家の茶室に上がり、素晴らしお庭を楽しむことができます。

拾翠亭は地下鉄丸太町の駅近く。京都御苑の入り口にもサルスベリの大木があり、大変見事な花を咲かせています。これほどの巨木は京都でも珍しいと思います。また、拾翠亭から反対の西側に行くと、四親王家の一つ・閑院宮邸跡もあり、2006年にリニューアルされ、京都御苑の自然と歴史についての写真・絵図・展示品・解説を備えた収納展示室と庭園などが無料で開放されています。是非、こちらもご覧いただきたいと思います。

さて、拾翠亭は二階からの眺めも楽しむことができ、九条池にかかる橋がまた素晴らしい趣を与えてくれます。当時は、後ろの木々が低く、東山を借景とするお庭だったそうです。現在は、京都の街中に突如用意された「公家」の空間として貴重な場所です。拾翠亭の名は、翠(みどり)の草花を拾い集める、から来ています。初夏には新緑や楓、真夏にはサルスベリ、秋には紅葉とそれぞれ美しい景色を見せてくれます。

注意点は、拝観が金曜日と土曜日のみで時間も15時半までと少し早いこと。予定をたててお楽しみください。九条池には、京都検定ではおなじみの京都三珍鳥居の一つ「唐破風鳥居」を持つ厳島神社もあります。神社の周りにもサルスベリが咲き、この時期は和ませてくれます。厳島神社は、平清盛が育ての親の祇園女御のために、兵庫の築島に広島の厳島神社から勧請したのが始まりです。室町幕府の12代将軍の義晴が京都に移し、江戸時代の明和8年(1771年)に九条家の邸宅内に移り、九条家の鎮守社として崇拝されました。

景色も美しく、手軽に見どころを楽しめる九条池周辺。一度訪れてみて下さい。書き忘れましたが、近くの宗像神社も見どころたっぷりです。
さて、16日には五山の送り火が行われます。大文字を見る場所としては、京都御苑も手軽でお勧めです。場所は、御所のすぐ南の場所か清和院御門に向う付近。写真のように眺められます。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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