下鴨神社の御蔭祭 2017年

下鴨神社 御蔭祭
5月12日に下鴨神社の神迎えの神事、御蔭祭(みかげまつり)が行われました。

下鴨神社 御蔭祭12日に行われた下鴨神社の重要神事が御蔭祭です。下鴨神社や上賀茂神社は毎年新しい神霊・荒御霊をお迎えして社殿の神の力と合わせることによって、神の力を強めています。また田植えの時期である今の時期に新たな神に神饌を献じておもてなしをし、五穀豊穣を祈願する意味合いもあるそう。葵祭の発祥は、賀茂の神の祟りによって引き起こされた風水害による凶作を鎮めたことにあり、15日の路頭の儀は朝廷から賀茂神へと御幣物(ささげもの)を届け、風水害が起こらず五穀の実りが無事にもたらされることを祈願するのが目的です。

下鴨神社 御蔭祭下鴨神社の神が降り立つ(お生まれになる)のは、高野川をさかのぼった比叡山の麓にある御蔭山に建つ御蔭神社。普段はほとんど人影のない神社です。賀茂の神は祟ると風水害を起こすとも考えられた水の神でもあり、上賀茂神社は賀茂川にそった神山(こうやま)に、下鴨神社は高野川にそって神の降臨地を持っています。

下鴨神社 御蔭祭さて、下鴨神社の御蔭祭では、午前9時から神事のあと一行は神宝や祭具を持ち列を整えて、楼門の前から鳥居を抜けて出発していきます。ただ、御蔭神社まで歩くのではなく、すぐに用意されているワゴン車に乗り込んで御蔭神社へと移動をしていきます。こうして昼の12時に神迎えの神事が行われて新たな神が迎えられるのです。

下鴨神社 御蔭祭その後、一行は再び車で移動をして、赤の宮神社を経たあと、宝ヶ池公園から徒歩での巡行で下鴨神社へと向かってきます。実質この経路は昨年からですが、今年も予定よりも遅れて列が通過し、下鴨神社に入って行きました。神は神輿ではなく馬の背に乗り換えて移動をし、この形式が最も古い神幸列だとも言われています。馬の背に乗った神霊は糺の森の中ほどにある、参道が少し広くなっている場所「切芝」において、糺の森に宿る神々の精霊とともに東遊(あずまあそび)をご覧になります。これが切芝神事で、御蔭祭のハイライトでもあります。

下鴨神社 御蔭祭今年も遠巻きですが見ることができ、優雅な舞の風情を感じることができました。東遊とは、東国に由来を持つ歌や舞のことで、平安時代から賀茂祭で舞われるようになりました。枕草子にも清少納言が好きな舞として、東遊の駿河舞・求子(もとご・もとめご)舞が登場します。まさにこの切芝神事で見られるのは、駿河舞と求子舞で、平安時代に清少納言が感じた「いとおかし」の世界を私たちも時代を超えて感じることができます。神馬にお乗りになった神は、馬の目を通して舞をご覧になりますが、馬が顔だけを出して舞を見るさまは可愛らしくもあります。舞が馬に向かって奉納されるのも特徴です。切芝神事が終わると、行列はさらに奥へと進み、神事が行われ荒御霊と和御霊が合わさります。舞や行列の様子は今回も動画を撮ってきましたので、ご覧ください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。

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