5月4日に、下鴨神社で古武道奉納があり、最初に小笠原流弓馬術礼法による奉納がありました。
5月の前半は葵祭にともなう様々な行事が行われる賀茂社。5月4日の下鴨神社では古武道奉納があり、全国から集まった様々な流派の古武道の演武が披露されました。歴史上有名な人物が習得した流派も多数あり、そうそうたる面々が集っています。それぞれ技のキレが素晴らしく、達人たちの技を気合を目の前で感じられる貴重な機会です。
下鴨神社では、小笠原流弓馬術礼法による奉納が最初に行われました。小笠原流は、鎌倉時代から続く弓の流派で、弓・馬術・礼法を現代に伝え、京都では下鴨神社で5月3日に行われる流鏑馬(やぶさめ)神事や、1月16日に上賀茂神社で奉納される武射神事、梨木神社の元服式なども、小笠原流によります。
小笠原流弓馬術礼法では、木馬にまたがって3つの的を射る所作を行います。これは流鏑馬の練習に用いられるもので、木馬の後ろで木馬をゆっくりと回転させる人もついています。普段の流鏑馬の稽古では、馬を使用せずに木馬を用いて型の習得につとめておられるそう。「インヨー(イ):陰陽」の掛け声が響き渡り、ひとつづつ的に的中させていきました。掛け声の回数は最初は1回ですが、2つ目の的は2回、3つ目の的は3回になり、この掛け声は鎌倉時代の流鏑馬の所作のようです。江戸時代に制定された騎射挟物(きしゃはさみもの)では、掛け声も変化するようです。今回は4名の方が射ましたが、それぞれ装束が異なっています。平安装束での流鏑馬は下鴨神社だけといわれますので、貴重な場面でした。奉納の様子は動画でもご覧ください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。