29日に北野天満宮を訪れてきました。まだまだ梅は見ごろです。
北野天満宮は境内に早咲きから遅咲きまで約50種1500本の梅があり、京都有数の梅の名所として知られています。今年は例年より大幅に早く梅が咲きましたが、新型コロナウィルスの影響で人出はかなり少なく、ライトアップも3月1日までで終了となっています。
北野天満宮のご祭神は菅原道真で、幼いころから梅が大好きだった人物です。まだ「阿呼(あこ)」呼ばれた5歳の時に、庭に咲く紅梅を眺めて「美しや 紅の色なる梅の花 あこが顔にもつけたくぞある」と和歌を詠んだと伝わります。後に「風月の本主」と称される和歌の才能は、このころから発揮されていたのかもしれません。
道真が九州の太宰府へと左遷される時に詠んだ「東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」の歌も有名です。太宰府へ家の主の私が行ってしまっても、春を忘れずに花を咲かせ、都から吹く東風にのせて梅の匂いを届けておくれ、といった意味。別れの寂しさ、無念さをあらわす名歌として、現代に至るまで人びとの心に響いています。
境内には、早咲きから遅咲きまで、開花時期の違う梅がバランスよくそろっていて、全体として梅の見頃が長いという特徴があります。まだまだ見頃は続きそうです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。