7月17日の祇園祭の前祭の山鉾巡行。今年は長刀鉾のお稚児さんが降りる場面を見に行ってきました。
前祭の山鉾巡行の先頭を進む長刀鉾。生き稚児が乗り込む伝統を受け継ぐ鉾として知られ、しめ縄切りはハイライトとして報道されることが多いでしょう。鉾の上では清めの「太平の舞」を舞うのも大きな役目で、最後は御池新町で鉾を降りて行きます。今年はその場面を見てきました。
まずはお稚児さんを補佐する禿(かむろ)の少年が先に降ります。鉾の上にはお父さんが乗っていて、お父さんが先に鉾にかけられた階段を下りますが、その姿は禿の方を向いた後ろ向きです。後ろ向きでゆっくりと階段を下りながら息子を迎える父の姿と、大役を終えホッとした表情を見せる男の子には胸にぐっとくるものがあります。
お稚児さんは四条烏丸で乗り込む時と同様に強力(ごうりき)さんに担がれて鉾を降り、御池通の先に待機している車に乗り込んでいきます。無事に巡行を終え、稚児の大役を終えられて本当に良かったです。今年は38℃を超える記録的な猛暑の中での巡行でしたが、思えば7月1日のお千度の時にも厳しい暑さでした。こうした巡り合わせだったのでしょう。
お稚児さんはこの後、装束を着替えるなどしたのち、八坂神社でお位を返す儀式(長刀鉾稚児奉斎祈祷参拝)を行い、普通の男の子に戻ります(神社に来る時間は年によって異なります)。今年はその場面も目にしましたが、お母さんと近寄ったり、禿の二人と肩を抱き合ったりする場面が印象的でした。微笑ましいですね。連日の暑さの中、関係者の皆様も本当にお疲れ様でした。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。