祇園祭の行事、5日には稚児舞披露が行われました。長刀鉾町会所の2階から四条通の人々に向かって、巡行時に舞う「太平の舞」と呼ばれる稚児舞が披露される行事です。動く鉾は結構揺れますので、揺れない町会所で行うのは実践的な練習の意味もあるのかもしれませんね。今年のお稚児さんは、呉服屋さんの社長のご子息です。お稚児さんは、長刀鉾町に養子縁組をして、まさに「鉾町の子」となりますが、相応の資金が必要で、しきたりもあるため、お稚児さん探しは毎年苦労をされているそうです。
舞は町役の方のチェックの後に披露されます。頭にはクジャクの羽根を飾った冠をつけ、萌黄色の肩衣(かたぎぬ)も綺麗です。四条通には多くの人が集まっていて、その中に混じって舞の様子を下から見守るのは、お稚児さんや禿(かむろ)のお母さんたち。会所の上ではお稚児さんの後ろに、お父さんやお爺さんが立つのがならわしです。
稚児舞披露はお囃子の演奏の中で行われますが、はじめはゆったりとしたテンポが、だんだんと速くなっていきます。これは17日の巡行時も同じで、四条通では八坂神社への奉納囃子のため厳かにゆったりとした曲調。四条河原町の辻回しの最中からだんだんとテンポが速くなり、軽快な戻り囃子へと変わっていくのです。
今年も無事に稚児舞披露が終わりました。見に行ってはいませんが、7日は綾傘鉾町の稚児社参も無事に行われたでしょう。10日には鉾建てが始まり、お迎え提灯行列や神輿洗いも行われ、17日の山鉾巡行まで一気に盛り上がっていきます。今年は台風11号がちょうど宵山や山鉾巡航に影響してしまう恐れもあり心配です。また、台風がもたらす暖かい空気のため湿度が高くて気温が上がりやすく、熱中症の危険度が高いです。対策を万全に、しっかりと睡眠をとり、水分を持ち、祇園祭を無事に楽しんでください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。