祇園祭 山鉾巡行 注連縄切り・くじ改め

山鉾巡行 注連縄切り
17日に行われた祇園祭の山鉾巡行。今年は注連縄切りくじ改めの様子をご紹介します。

長刀鉾の曳き手長らく祇園祭についてブログに書いてきましたが、ようやく山鉾巡行までたどり着きました(笑)毎年恒例の「プレゼント」を待たれている方もおられると思いますが、今しばらくお待ちください。昨年は、山鉾巡行でも最も激戦の四条河原町で見てきました。時刻は午前4時40分で、4番手。今年は張り切って、注連縄切りを見に早く行ってみましたが、こちらはそれほど頑張らなくても大丈夫でした。実は注連縄切りを見るのは初めてです。8時前に行けば、2列目には入れるでしょう。1列目でも7時半にいれば十分です。

注連縄を張る注連縄は四条麩屋町に張られ、八坂神社に向かう神域との結界を表すとされます。それを巡行の先頭を務める長刀鉾のお稚児さんが太刀で切り、山鉾は先へと進めるようになります。注連縄がかかる斎竹(いみだけ)は、古くは四条東洞院(恐らく悪王子社関係かと推測)に建てられていましたが、それが江戸時代初めの慶長以後に四条麩屋町に移り、そもそもはお稚児さんではなく、鉾町の人間によって切られていました。それが明治期に途絶え、現在のようにお稚児さんが行う注連縄切りは、昭和31年から始まった比較的新しい行事です。

山鉾巡行 注連縄切り昭和31年は、ちょうど前祭(さきのまつり)の巡行コースが寺町通の南行きから北行きに変わった年。その時について書かれた古文献を見ると、昭和31年は寺町を上がった場所で注連縄を切ったそうです。余談ですが、山鉾巡行は四条通を進む部分が八坂神社への奉納行事。四条通から向きを変えて以後は「帰る」だけですので、寺町通を南に進んでいた経路が北に変わっても大きな問題ではありませんでした。現在も四条通は厳かな奉納囃子(渡り囃子)、四条河原町で向きが変わってからは軽快な戻り囃子として、お囃子の調子が大きく変わっています。

山鉾巡行 長刀鉾さて、注連縄やそれをかける斎竹は、伝統的に東洞院高辻上るの高橋町の皆様によって奉仕されています。高橋町にはかつて八坂神社の御旅所があり、付近には八坂神社と同じご祭神スサノヲノミコトを祀る悪王子社もありました(今も小社はあります)。斎竹とは、葉の付いた青竹のことで、15日の夜明けまでに建てるのがならわしとなっています。

山鉾巡行 注連縄切り9時を過ぎて四条烏丸から長刀鉾が動き出し、ゆっくりと四条麩屋町へと近づいてきます。この頃になると沿道には多くの方が押し寄せています。お稚児さんは、真剣を持ち注連縄を切るわけですが、さながら人形のように稚児係という方が後ろから動きを操って注連縄を切ります。恐らく入念な練習を重ねて、本番に挑んでいることでしょう。注連縄切りでは、まず太刀を鞘から抜きます。この時両手を広げる場面がシャッターチャンス。ちなみに、抜いた鞘は向かって右の禿(かむろ)が持つことになっています。

山鉾巡行 注連縄切りその後、太刀をゆっくりと右左に振り、これによって太刀に神を宿らせるといいます。そして真ん中に太刀を戻した後、一気に振り下ろして注連縄を切ります。その後、再び両手を広げ、太刀を鞘に戻して終了です。注連縄切りは、今ではお稚児さんの最大の役目と言っても過言ではありませんが、今年のお稚児さんも立派に務められました。注連縄切りの様子は動画もありますので、ご覧ください。ただ、メモリーカードの容量が一杯になってしまった関係で、注連縄を切った直後に映像が切れている点、ご容赦ください(逆にいえば、映ってくれたのは奇跡です)。

山鉾巡行 くじ改め四条堺町では、くじ改めが行われています。山1番以下、くじを引く山鉾はここで奉行役の京都市長に対して7月2日に引いたくじを見せ、順番通りに巡行しているかの確認を受けます。手を使わず扇子でくじの入った箱の紐をほどいたり、あるいは戻す所作や、くじを見せる動作、山鉾を呼び寄せる動きなどが見所です。こちらも山鉾巡行では人気のスポットになります。

山鉾巡行 くじ改めくじ改めを行うのは、小学生から年配の方まで様々で、山鉾ごとに異なる動作で見ている人の目を楽しませてくれます。中には勢いよく傘を飛ばす子もいて、驚きと大きな拍手が起こっていまいた。こちらは四条傘鉾の動画がありますのでご覧になってみてください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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