松尾大社の還幸祭


13日には松尾大社の松尾祭で還幸祭が行われました。朱雀御旅所には6基の神輿が勢ぞろいして神事が行われ、その前後には威勢のよい神輿の差し上げなどが行われました。

以前に行われた神幸祭の様子もブログでご紹介しました。船に乗って神輿が桂川を渡るという、京都近郊では他に類を見ないお祭りです。松尾大社は数々の摂社・末社を持ち、それぞれがお神輿を持っているため、現在お神輿6基・唐櫃1つが巡行します。いくつかの場所ではこれらの神輿が勢ぞろいをして壮観な光景が見られるのも、松尾祭の特徴です。

神幸祭で各地域の御旅所へと鎮座したお神輿は、3週間の旅を終え、この日はまず旭日の杜(あさひのもり)と呼ばれる西寺の跡地の公園に集合します。伏見稲荷大社は東寺とのつながりが深く、当初の五重塔の用材も稲荷の山から切り出されたとされますが、一方で同じく秦氏が創始した松尾大社は西寺とのつながりを持っていたようで、今でもこうして西寺跡にお神輿が集合するのは面白い。一堂に並ぶ神輿の様子はやはり壮観!神幸祭の時は雨が降り、お神輿もビニールシートで覆われていましたが、この日は天気がよく神輿も輝いていました。

この還幸祭では神職や神輿などが葵や桂の葉で飾るため、「葵祭」とも呼ばれます。今は葵祭と言えば賀茂社の行列が有名ですが、こちらもれっきとした葵祭。賀茂社と松尾社はご祭神に血縁があるとも考えらているようにつながりが深く、両社とも神紋は葵の御紋を用いています。

西寺跡での神事の後、神輿は七条千本付近にある朱雀御旅所へと向かいます。こちらにも神輿が全て勢ぞろいをして神事が行われます。ただ西寺跡と違うのはその広さ。御旅所いっぱいに神輿が並びます。さて、神輿を担ぐ様子もそれぞれに個性があって面白い。特に櫟谷(いちたに)社の神輿が非常に威勢がよく、他の神輿よりも遠くまで回ってから御旅所に入るなど、感動的なほど男気を見せてくれました。

神事の後には松尾社へとお戻りになるわけですが、御旅所前での差し上げも見逃せないポイント。手に神輿を乗せてウェーブするようなすごい技を見せてくれたところもあれば、やはり櫟谷社はかなり離れた七条御前まで神輿を担いで、商店街の方々にも元気いっぱいな姿を見せていました。松尾大社も氏子圏が広く、お神輿もたくさん出て勇壮なお祭りです。動画で雰囲気をお楽しみください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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