祇園祭の雰囲気が高まってきた京都の街。今年は休み山の鷹山(たかやま)の二階囃子が復活をしています。
祇園祭には前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)を合わせて33基の山鉾が出ますが、さらに2基の休み山もあります。そのうちのひとつが鷹山。場所は三条通室町西入るで、22日と23日の正午から宵山の居祭りを行い。3体のご神体人形を公開しています。休み山とはかつて山鉾巡行に参加していた山ですが、火災などで山を失うなどして、現在は巡行に参加していない山のことです。現在は鷹山のほかに、蛸薬師通室町西入るの布袋山があります。
鷹山は応仁の乱以前に起源をもつ由緒ある山で、後祭に参加をし、最後尾の大船の鉾の前を行く「くじ取らず」の山でした。江戸時代は曳山として大型の山でしたが、文政9(1826)年に大夕立にあって懸想品が汚損してしまい、翌年から巡行を中止。さらに幕末の元治元(1864)年の元治の大火でも被害を受け、現在は3体のご神体人形が伝わるのみとなっています。
ただ、このご神体人形が祇園祭の山鉾のなかでもひときわユニーク。鷹狩の場面を表すという鷹匠は手に鷹を乗せ、犬つかいは白黒模様の犬を連れ、手に粽を持ちしゃがんだ姿の樽負いは、どうやら隠れて粽を食べようとしているようです。なんとこの粽を持つ手はカラクリで口元まで動く仕掛けになっているそう。巡行していた当時は、その面白い姿にさぞ拍手や声援が送られていたことでしょう。
そんな鷹山が、復興に向けて動き出しました。近年の後祭復活や大船鉾復興の動きに触発された地元有志が、2014年にお囃子を復活させ、今年は鷹山復興を目的とした「鷹山保存会」も発足しました。そうした流れの中、今年は「二階囃子」も復活しました。期間は7月5日~9日の19時半~21時半まで。場所は三条新町東入るで、お囃子の音色や提灯ですぐにわかると思います。
私は偶然初日の日に前を通りかかり、幻のようなその光景にとても感動しました。地元の方々もお囃子の音色に引き寄せられて次々に通りに集まって来られ、お囃子の練習を見守っていました。復活に向けた歴史の1ページを見せて頂いた思いです。お近くの方は是非、感動的な鷹山のお囃子を生演奏でお聴きください。今年の宵山(22日・23日正午から)では、粽の授与も行われるそう。復興にはお金が必要です。ぜひご支援いただければと思います。なお、鷹山のホームページも開設され、情報は順次更新されています。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。