御金神社の節分祭


京都の節分、今年もいくつかの社寺を回ってきました。全て昨年と違う場所で、よい資料が集まりました。今回は2日の夜に行われた、御金神社の節分祭の紹介です。

京都ではほとんどの社寺で節分当日の3日に行事が行われますが、ごく稀に2日に行うところもあります。有名なのは吉田神社の鬼やらい神事。今年は土曜日の夜ということもあって、最前列の待ち時間は例年以上だったそうです。金ピカ鳥居で知られる、二条城近くの御金神社でも2日の夜に節分祭が行われます。

御金神社は、地元とのつながりが強い神社で、節分祭の始まる19時ころには地元の方で境内がいっぱいになります。神社の方が地元の方と親しそうにしている様子が印象的でした。地域の方に来てもらいやすいように、節分前日の夜に節分祭を行っているのかもしれませんね。御金神社の節分祭では、本殿の前で火焚きが行われるのが特徴です。そもそも境内があまり広くはなく、マンションの谷間にある御金神社ですので、これが色々な意味ですごいものでした。

神事の後、参拝者一人一人に鈴でお祓いをしていただけます。鳥居の外まで出て、行っていない方がいないか声をかけるなど、心配りが感じられます。そしていよいよ火が入り、もうもうと煙が立ち上ります。しかし、マンションに囲まれた御金神社では気流が乱れて、上というよりは横に、それも不規則に流れてくる傾向にあり、狭い境内に煙が充満します。そして前の方は火の粉が容赦なく飛んできます。

服装は燃えやすい(溶けやすい)生地は避けた方がよく、帽子もあった方がよいでしょう。持ち物も火の粉で焦げることがありますので、十分ご注意ください。また、灰で確実に服が汚れますので、その点も折り込んで行かれるとよいでしょう。今回は煙もすごく、一時的に前が見えないほどの濃い煙に包まれることもありました。そのため煙に巻かれて泣き出す子も出てしまいました。神社や地元の方によると、今年は特に煙がすごかったそうですが、なにぶん狭い境内に多くの人が集まっていますので、必然的に炎との距離が近くなり、煙を受けやすいのは事実です。火の粉と煙、十分ご注意ください。

炎の前で祝詞を唱えるなどの神事が終わると、直会(なおらい)として巻き寿司やウインナー・唐揚げ、コンニャクなどの軽食が振る舞われます。子どもたちを中心に、地元の方がパクパクと頂きました。地元密着型の神社だからか、節分は神社が地元の方に奉仕する機会ともなっているようです。

軽食が出た後に、福豆の授与も行われました。豆撒きではなく、一人一袋を参拝者に手渡していく方式です。私も一つ頂きました。このようなできるだけ争わないやり方もよいですね。袋の中には節分豆と、お金(金属)にちなんだと思しき、黄金色の飴も入っていました。金運アップのご利益の神社らしい福豆です。さて、次回以降も京都各地の節分の様子をお届けします。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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