16日は千本ゑんま堂で、お精霊(しょらい)送りが行われました。
16日はお盆の最終日。五山の送り火に代表されるように、お盆の間にお迎えしたご先祖様のお精霊(しょらい:霊)を送り出す日です。お迎えの時には「迎え鐘」を撞きますが、送る時には「送り鐘」を撞きます。東では六道珍皇寺で迎え鐘を撞き、寺町三条の矢田寺で送り鐘を撞くというのがセットですが、西陣では迎え鐘も送り鐘も千本ゑんま堂(千本閻魔堂)で撞かれます。同じ鐘が15日までは迎え鐘、16日は送り鐘となるのです。
千本ゑんま堂は葬送地である蓮台野にあり、恐ろしい表情の閻魔像を祀ります。開基は閻魔さまにも仕えたという小野篁(たかむら)でこの時期は篁の像も公開されています。お精霊送りでは、水塔婆に亡き人の戒名を書いていただき(有料)、それを境内奥の地蔵尊の前の水辺に流し、最後に送り鐘を撞きます。鐘は水塔婆の枚数だけ撞くという習わしで、多い方はいくつも鐘を鳴らします。今でも祈りの地、あの世とこの世を結ぶ場所として多くの人が訪れる千本ゑんま堂。連綿と続く信仰を見させていただきました。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。