10月4日に行われた、北野天満宮のずいき祭りの還幸祭。今回は、花街の一つである上七軒を神輿や行列が進んで行く場面です。
ずいき祭りの還幸祭では、ずいき神輿と行列は別なコースで進んで行きます。また、ずいき神輿の子ども神輿はさらに別なコースを進み、そこに西ノ京の別な子ども神輿が2基ほど出て練り歩きます。つまり、私が知るだけでも大小4基の神輿が西ノ京一帯を進んでいくのです。あまり知られていませんが、子ども神輿(ずいき神輿の子ども神輿とは別)も屋根が「ずいき」で葺かれていたのが印象的でした。
大人のずいき神輿は、七本松通を真っすぐ進み一条通付近の北野商店街を練り歩いてから上七軒へと進んで行きます。石畳風の路面も美しい上七軒では、芸舞妓さんが神輿や行列を見送るのが習わしで、例年多数のカメラマンが殺到するという光景が見られます。芸舞妓さんが出られる場所はお店の前と決まっていますので、早くから場所取りをするカメラマンが人垣を作っています。
ただ、2年前のブログにも書きましたが、神輿や列が通る際やその前後の雰囲気は殺伐としていて気分のよいものではありませんので、一般の観光客が人垣に混ざる場合は覚悟を持って加わるとよいでしょう。舞妓さんにこだわらなければ、空いている場所は十分あります。また、裏技としては上七軒の中でも北野天満宮に近いお茶屋さんの方が人が少なくなりますので、そちらで待つとよいでしょう。
人垣は2重3重になっているため、道への張り出しも大きく、危険がないように地元の方が整理誘導にあたっています。こうした対応をして頂けるおかげで、秩序が保たれていますので、本当にありがたいですね。今年も、場所によっては人が多すぎて「これじゃ、神輿が通れない」との声が出るほどでしたが、なんとか人を下げて神輿は通過していきました。毎年大きな事故が起きやしないかと、冷や冷やする場面です。
三条駐輦所を出発した行列は、ずいき神輿の後に上七軒へと入ってきます。列には可愛らしい子どもたちも多いため、見送る芸舞妓さんたちも優しい笑顔になって、たいへん絵になる光景です。狭い上七軒の道を牛車や神輿(鳳輦)が通っていく様子も見ごたえがあります。安全には十分に気をつけて、楽しんで頂きたいですね。
今年の上七軒では2011年の時に比べると、それほど混乱した場面は目にしませんでした。また、外国人の団体が来ていたようで、珍しげに舞妓さんや祭りを撮っている様子が印象的でした。普段はこうした団体を見かけることはありませんので、恐らく知って来られているのでしょう。カメラマンの多さにはきっと驚かれたのではと思います。
上七軒を通り抜けた一行は境内で神事を行って、ご祭神がお戻りになりました。5日の日には、八乙女による舞が奉納される后宴祭も行われています(写真はありません)。京都でも規模の大きな秋まつりである「ずいき祭り」。今年も楽しませて頂きました。京都の10月はお祭りシーズン。各地の祭りが続いていきます。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。